―『朱蒙〔チュモン〕』でもヒロインを演じられましたが、それを含め日本でも韓国の時代劇が人気です。ハン・ヘジンさんも「韓流スター」として注目されていますが、それについてどう思いますか。

 「『朱蒙〔チュモン〕』などは、中東でも人気があると聞いています。国という舞台は違っても、万国で共感できる内容が描かれているからだと思います。多くの国で作品や自分が愛されることは、女優として羽ばたくこと、自分を成長させてくれるものと思っています。これからも自分がすべきことを、最善を尽くしてやっていきたいと思います」

 『済衆院』は、韓国初の西洋病院を舞台に医師を目指す若者たちの物語だが、日本植民地時代に入ると、日本が悪役に描かれる部分がある。そのため、「日本に対して表現されていることに、気分を害することがないか気になります」と懸念も正直に口にしながらも、ドラマとして、また、自分の役には満足感と自信を見せたハン・ヘジン。利発で強く、それでいて女性らしい可愛さを持つ、という役柄が本当に似合う女性だとは思っていたが、その素顔も同じ印象だった。


 今後の活動への希望を尋ねると、「『朱蒙〔チュモン〕』では、韓国を多くの人に知ってもらえました。機会があれば、日本でも活動したいし、実は日本語も少しずつですが勉強しています」と語り、「韓流スター」としての準備は万端なようだ。

 ハン・ヘジンほか、パク・ヨンウ(映画『MUSA-武士-』)、ヨン・ジョンフン(『エデンの東』)が主演する『済衆院<チェジュンウォン>』は、8月4日にDVDレンタルが開始。9月8日にはコレクターズ・ボックス1がワーナー・ホーム・ビデオから発売される。

 ロマンスでは、ハン・ヘジンがインタビューで語ったラブシーンが一押しだが、ロマンス部分以外では、ソンランの自立する女性像がさっそうとしていて心地よい。そして、賎民の身分ながら、さまざまな葛藤(かっとう)や苦難に立ち向かいひたすら医師を目指すファン・ジョン役のパク・ヨンウの演技が素晴らしく胸を打つ。また、ライバルとなるドヤンを演じたヨン・ジョンフンも、ただの敵役とは違う役どころで、その個性を遺憾なく発揮。日本の描き方や笑える日本語の部分はあるものの、成長ストーリーとして感動の秀作だ。



東京=野崎友子通信員

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