韓国人には聞きなれない社名だが日本人なら誰もがよく知っているほど有名なアステラス製薬。そのアステラス製薬韓国支社の藤井松太郎社長は海外生活が実に30年を超え、韓国滞在も10年を超えた。藤井社長によると、この10年間、韓国で最も変わった点はドライバーの運転マナーと雰囲気の良いカフェが増えたことだという。

-ホームページの会社沿革によると、旧山之内製薬と旧藤沢製薬工業が合併して発足したとされていますが、どのようないきさつで韓国に進出することになったのですか。

 「アステラス製薬は藤沢薬品工業と山之内製薬が合併して発足した会社です。藤沢薬品工業と山之内製薬は合併前から韓国に進出していました。それで日本同様、韓国でも2005年両者が合併し、韓国アステラス製薬が誕生します。韓国に進出している海外の製薬会社うちでは11位にランクしており、過去2年間の成長率はトップクラスを維持しています。主な製品は、ハルナール(排尿障害治療薬)、プログラフ(免疫抑制剤)、ベシケア(過活動膀胱治療剤)などです。秋には下痢型過敏性腸症候群治療薬のイリボーが製品ライン加わる予定です。またアトピー性皮膚炎治療剤のプロトピックも販売しています。このように当社では、生活の質の低下を招く疾病の治療剤を販売することで、生活の質の向上に貢献しています」

-観光地として韓国だけが持つ独特な魅力や長所とは?

 「人々がフランクで親切ということですかね。特に韓国のおばさんは大阪のおばさんとよく似ており、好感が持てます」

-休日は何をしていますか。友人や家族、親戚が日本にいるため、韓国での生活が寂しかったり退屈だったりしませんか。

 普段はさまざまな集いに参加しています。博多会、チャンポン会、葉隠れ会、二八会、生活関連委員会、ソウル薬業会、APPRIなどです。さらに業務関連の会食などでスケジュールが詰まっていることが多いですね。休日は、ゴルフや料理、テレビ鑑賞をします。退屈な時は近所を散歩します。二村洞に住んでおり、近くに国立中央博物館や竜山家族公園があるので散歩コースとしてはいいですね。先日の日曜日には、初めて国立墓地公園を散歩しました。桜が満開で、モクレンとレンギョウが咲いていてとても美しかったです。金大中(キム・デジュン)大統領の墓を探しましたが、広すぎて見つけることができませんでした。さいわい李承晩(イ・スンマン)大統領と朴正熙(パク・チョンヒ)大統領の墓は見つけることができ、参拝することができました。

-日本の友人が韓国に来たらどこを紹介したいですか。韓国国内の旅行にはよく行くほうなのですか。

 初めてソウルに来た人なら、景福宮、昌慶宮、仁寺洞、南大門市場、大統領府、独立門、西大門刑務所、ソウル市庁、新世界百貨店、韓国銀行博物館など日本の建築様式の建物を紹介したいですね。あまり知られていない所としては、新羅ホテル正門から玄関まで続いている石階段がお勧めかと思います。韓国人の気に障るかもしれませんが、ここは安重根に暗殺された伊藤博文を弔うために建設された「博文寺」があった所です。現在は新羅ホテルの迎賓館となっていますが。韓国と日本の過去を思い起こさせる所です。韓国に赴任していろいろな所に行きましたが、まだ鬱陵島には行っていませんね。機会があったら行ってみたいです。

-日本料理が食べたい時はどこに行きますか。

 地下鉄4号線二村駅裏のパークタワーAPT105洞の1階にある「ミヤマ」、光化門のソウル歴史博物館の隣にある植民地時代の日本家屋を改装した「DAN」、三成洞COEXにあるオークウッドホテル地下の天ぷら屋「肉じゃが」によく行きます。これらは日本人コックが常駐しています。5月に二村洞のチャンミ・マンション1階にオープンした「タツミ寿司」もいいですね。日本人コック3人が料理を作っています。


■Spain club
 藤井社長は広い人脈ばかりでなく、おいしい外食文化を楽しむ人でもある。日本料理が食べたいと思う時のための膨大なレストランリストを持っている。藤井社長によると、東京に6つの支店がある「Spain club」が最近新沙洞にオープンしたとのことだ。スタッフがモデルのように容姿端麗でサービスもよいという。同店は、まだ韓国人には馴染みのないスペイン料理を本格的に伝えるため、東京・赤坂店ですべての料理をマスターした在日韓国人3世がオープンした店だ。日本人マネージャーを置いているので日本語はまったく問題なく、メニューは日本とほとんど同じだ。オープンして1年満たないにもかかわらず、駐韓スペイン大使館に認められたとのことだ。お勧めは黒豚料理だ。黒豚は、スペインでどんぐりのみを食べさせた最高の物だけを使っているため、脂肪が少なくすっきりした味が絶品とのこと。そのほかにもパエリアやエビのニンニクオイル煮、また清涼感あふれるドリンク・シャングリラもお勧めだ。ランチタイムは午後2時までで、ディナータイムは午後1時まで。その他の時間はドリンクと簡単な食事が可能だ。

*住所: ソウル市江南区新沙洞520-30番地
*時間: 11:30時-02:00時(日曜祭日は20時30分
*定休日: 年中無休
*Tel: 82-2-515-1118

文_ オ・スンヘ 写真_ チョン・イクファン

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