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ソウル都心の「小さな森」汝矣島セッカン生態公園
地下鉄9号線のセッカン駅のそばには、総面積18万2000平方メートルの広さを誇る「汝矣島セッカン生態公園」がある。1997年にオープンした、韓国で初めての自然生態公園で、人や車がせわしなく行き交う汝矣島にありながら、緑豊かな空間が広がり、多忙な現実をしばし忘れさせてくれる。単なる公園ではなく、小さな森といってもいいこの場所で、生い茂る草木を眺めていると、いつしか流れる雲を見ながら横になったり、小さな滝つぼに足を突っ込んだりしたくなるものだ。また、どこまでも続くヨシ原は、カメラに収めたくなる見事な風景だ。かつて、この辺りは長い間、人の手が加えられず放置されてきた。さまざまな生態系がありのままの姿を見せていたが、今年4月に見事な変身を遂げた。
現在、公園は2カ所の池を中心に、汝矣池、柳の森、文化の橋、シラサギの森、野生植物園といった、自然に親しめるさまざまな空間が整備され、子どもから大人まで、多くの市民が訪れている。中でも汝矣池は、多くのカップルがのんびりと散策を楽しんだり、デッキに腰掛けて話に花を咲かせたりする光景がたびたび見られるが、彼らの多くが自転車でここへやって来るという点もまた、これまでになかったことだ。また、マガモやシラサギ、アオサギなどの水鳥が次々と池に飛び込んでくる。柳の木もこの場所に自生していたもので、池に映るその木陰はとても涼しげな感じだ。公園内を流れる川の上流が「生態池地区」だ。漢江の水を引き込んで造ったもので、生命力が比較的強いコイ、フナ、オイカワなどの魚が多い。生態池地区を過ぎると、昆虫標本展示室があるビジターセンターが見えてくる。なお、公園内にはコンビニや街路灯はないため、午前か午後に時間を作り、簡単に食べられるものを用意して、ゆっくりと散策するのがおすすめだ。
*アクセス:地下鉄5号線汝矣島(여의도)駅下車、1番出口を出て直進し、道路を渡ると、公園へつながる石段がある。入園は24時間可能。
*Tel: 82-2-3780-0570
文=キム・スン 写真=チョン・イクファン