-ピダムとユシン、それぞれはどんな存在ですか。

 「ユシンは、宮廷で初めて頼ることができた相手で、“生き残る覚悟”をするきっかけを作ってくれた人で、それがラブストーリーにつながりました。ピダム(キム・ナムギル)は、2回もトンマンの命を助けた人で、彼も“捨てられた王族”という同じ処遇で、共感や哀れみがラブストーリーにつながったと思います」

-ライバル・ミシルを演じたコ・ヒョンジョンさんはいかがでしたか。

 「ライバルというよりも、“越えられない山”のような存在でした。トンマンが彼女を見て育ったように、私もコ・ヒョンジョンさんを見てさまざまな事を学ばせてもらい、良い経験をさせてもらったと思います」

-MBC演技大賞最優秀女優賞を受賞し、コメントで「あった自信を失いながら最後まで撮影をした」と話されましたが、そんな中、最後まで支えていたものは何ですか。

 「この作品を通じ、トンマンのファンが小学生から大人までたくさんできました。彼らを失望させたくない、自分もトンマンのように最後まで自分の任務をまっとうしたい、との気持ちが強く、このドラマを通じて人生を学びました。そして、ドラマと自分の置かれた状況がダブって感じました」


-具体的にダブったと思ったところは。

 「トンマンが明るく幸せに生きている時は自分も同じ気持に、人の心を得るために苦労し悩んでいる時は私も同じ気持になっていました。大勢のスタッフと長期間、楽しみ苦しみを分かち合い作業するのは大変なことですが、今の自分の状況が分かっているのかな、と思うくらい台本のせりふに驚かされました。他の役者も本人のキャラクターと役が似ていると感じていたようです」

-OSTにも参加されましたが、感想は。

「歌もうまくないので、歌のうまい俳優をうらやましく思っていました。一度経験してみたかったので、今回機会があり挑戦することになりました。レコーディングの時は撮影の後半で、充分な練習の時間が取れませんでしたが、疲れた状態でのレコーディングで、言われるままにやったところ、期待した以上に良いものが出来、うれしく思っています。眠る時にアルバムを聞くと良く眠れます(笑)」

-ご自身が特に心に残る名シーンはどこでしょうか。

 「泥沼での戦闘シーンは、私のクランクインの日でしたし印象に残っています。それと、女王の即位式も記憶に残っています」


-おもしろい撮影秘話をちょっと教えてください。

 「チョンミョン王女(パク・イェジン)が矢に打たれ、ピダムと薬を手に入れ馬に乗って走るシーンです。実際に馬に乗ってはいますが、その周りをスタッフが枝を手に回っている。本当は悲しく焦っているシーンですが、撮影状況が面白くって(笑)でも、ピダムは何事もないように演じていました」

 イ・ヨウォン、コ・ヒョンジョン、パク・イェジン、オム・テウン、キム・ナムギルら出演の『善徳女王』は、DVD-BOXⅠが発売中で、BOX-Ⅱが4月21日に発売、以降順次発売予定。また、現在BSフジにて毎週木曜日午後7時から放送中だ。

東京=野崎友子通信員

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