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観光コースとしてよみがえるドラマ『アイリス』(上)
「北ソウル夢の森にある伝統韓屋でヒョンジュン(イ・ビョンホン)とスンヒ(キム・テヒ)がデートをするシーンはどうでしょうか」
「漢江の水上タクシーでの追撃戦は航空撮影がいいですね。漢江全体の様子が見られますから」
テレビドラマ『アイリス』(KBS第2)の制作陣の神経を逆なでするような発言をしているのは誰だろうか。それは、ソウル市の公務員たちだ。ソウル市は昨年、ドラマを通じて都市ブランドを向上させるために、『アイリス』の制作を支援した。カン・チョルウォン広報企画官は、「ドラマのあちこちにソウルの名所が登場するよう、制作陣と台本、ドラマ設定を調整するなど協議した。ソウルの名所が現れた時間を広告単価で計算すると、40億ウォン(約3億1000万円)は超える」と話した。
■ソウルの名所11カ所がドラマに登場
ソウル市が支援したドラマ制作費は3億ウォン(約2340万円)。市は、制作陣が要請した場所の撮影支援ばかりでなく、市内の名所をロケ地として提案した。ドラマでは光化門広場や北ソウル夢の森、漢江・汝矣島公園、トゥクソム公園「チャボルレ」、広津橋、漢江のカフェ型展望台、仙遊島公園 、盤浦大橋・月光レインボー噴水、夕焼け公園など11カ所が計1時間2分30秒にわたり放映された。
これらの場所は、ドラマの内容に合わせて活かされた。夜景が美しいことで有名な漢江・汝矣島公園「水光広場」は、劇中ソンファ(キム・ソヨン)がヒョンジュンに愛を告白する場所として採用され、3分30秒間放映された。歩行路の幅が10メートルに拡張された「広津橋・歩きたい橋」はビック(TOP)とミジョン(ジュニ)がキスをする場所に選ばれた。秘密会議を行う場所には、銅雀大橋の雲カフェが採用され、チン・サウ(チョン・ジュノ)とホン・スジン(ミョン・ジヨン)が会う場所として登場した。
爆弾テロの現場となった光化門広場(18分31秒)、ヒョンジュンとサウが大統領候補チョ・ミョンホ(イ・ジョンギル)の暗殺を防いだ清渓川(3分38秒)、アイリス組織員のペク・サン(キム・ヨンチョル)が北朝鮮側のアイリス組織員と会う麻浦区上岩洞の夕焼け公園(2分)などもドラマに登場した。傾斜型のエレベーターで有名な江北区ポン洞の北ソウル夢の森展望台(高さ49.7メートル)は、大統領とヒョンジュンが会った場所として登場した。
ヒョンジュンとソンファが車を止め、核テロの場所を推理した場所は、トゥクソム公園の展望文化コンプレックス「チャボルレ」の前だった。ヒョンジュンがベールに包まれた声の主(キム・ガプス)と通話した場所は、漢江・仙遊島公園だった。広津橋の橋脚にあり、漢江を一望できる展望台「リバービュー8番街」は、チョルヨン(キム・スンウ)が大統領の警護職員に逮捕されるシーンで放映された後、観光客が2倍に増えた。