09年に韓国で公開され好評を得た映画『作戦 The Scam』に主演したパク・ヨンハと、同映画で第46回大鐘賞新人監督賞を受賞したイ・ホジェ監督が26日、東京・九段会館大ホールで行われた「プレミア上映」で舞台あいさつを行った。

 同映画は、1月16日より、シネマート六本木、シネマート心斎橋ほかで上映中だが、この日は「舞台あいさつ付き特別上映」が3回にわたり行われ、満員の観客が会場を埋めた。


 同日、記者会見も行われ、パク・ヨンハは映画出演について「この映画を選んだのはカン・ヒョンスという主人公が魅力的で気に入ったから」とし、「久しぶりの映画で現場に慣れるまで最初は少し時間がかかった。株を素材にしている映画だが、明るく、テンポが速く、株のことを全く知らない自分のような人でも面白く最後まで台本を読み終えられたということで、あまり悩むこともなく選んだ」と説明した。

 役作りについては、「主人公カン・ヒョンスの前半のキャラクターは、普段の私の姿をそのまま反映したいということでキャラクターを設定した。映画の中で着ている衣装の50%以上は普段、家で着ていた洋服でそのまま撮影するくらい、プライベートの生活をそのまま反映しているというつもりでキャラクターを組み立てた。芝居のように見せないナチュラルな芝居をしなければならなかった」と語った。


 また、イ監督の作品に出てみて「人生の中で、いい知り合いの一人、兄貴のような存在が一人できたようで心強い。親しい監督がいる、と自慢できる監督ができてうれしい」と親しみを込めて笑顔を向け、「現場の雰囲気は、共演者全員がいたずら大好きで、笑いをこらえきれず、たくさんNGを出した。監督はお人よしで、監督にたくさんいたずらをしたことを覚えている。常に笑いの絶えない現場だった」と現場の温かい雰囲気を話した。

 それを受けて、「初監督作品だったので、緊張もしたし、融通がきかない部分もあったが、それをカバーしてくれたのがヨンハさんや出演俳優らみんな。現場の雰囲気をリードしてくれたので、撮影を終えることができた。撮影の終わった今でも、良き友達として関係が続いている」とイ監督は答えた。


 また、イ監督は、パク・ヨンハが地中に生き埋めにされかかるシーンでのエピソードで、「最初はもう少し軽い撮影をしたが、パク・ヨンハ自ら監督にもっと深く埋めて、よりリアルに雰囲気を出そうと提案してくれた。監督は、肉体的につらいこと、リスクのあることを要請するのは難しいことだが、それを俳優から望んでくれたことがうれしく、ありがたかった。そういうまじめさや根性が今のパク・ヨンハを作っているのではないか」と語り、パク・ヨンハを称賛した。

 二人は年齢もさほど違わないせいもあってか、本当にきさくな様子。「ヨンハさんはいたずらっ子で、コミカルな部分がある。日本のお笑いには、ボケとツッコミがあるようだが、ヨンハさんはツッコミの役ができる(笑)」と言うイ監督に、「それは僕にお笑いをやれということですか?」とパク・ヨンハ。じゃれあうような二人に会見場も暖かい雰囲気に包まれていた。


東京=野崎友子通信員

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