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黄金色に輝く「ススキの海」を見に行こう
ススキはまさに晩秋を彩る華やかなイベントだ。黄金色に輝く広大なススキの海を見ることができる、お勧めスポットを紹介する。
■忠清南道舒川郡の錦江河口
忠清南道舒川郡と全羅北道群山市が向かい合う錦江河口にある新聖里に広がるススキ野原は、11月になると数十万羽のトモエガモが集まることでも有名だ。錦江の流れに沿って、幅200メートル、全長1キロを超える巨大なススキ野原が広がる。「ススキ十里道」と名付けられた土手道に上った瞬間、思わず感嘆の声がもれる。太陽の光を反射して輝く錦江の水面と、黄金色のススキが調和を成す風景は、まさに目を見張るような美しさだ。そよ風が吹くだけで、広大なススキ野原が一斉に波打つ。休みなく揺れ続けるススキを見ていると、まるでカカシになったように、自分の体がゆらゆら揺れているような気分になる。あちこちに小さなベンチがあるため、歩きつかれたら座って一休みすることもできる。所々にあるかけられた丸太の橋を渡りながら、見事な景色を眺めていると、体中で秋を感じる。
■海南郡コチョンアムのススキ野原をドライブ
コチョンアム湖一帯に広がるススキ野原は、1981年に防潮堤を作ったことによりできたもの。良質の干潟の上にススキが茂り、渡り鳥も飛来するようになった。晩秋になると毎年、トモエガモの群れがやって来て、華やかな鳥の舞が繰り広げられる。ススキと渡り鳥の群れの写真を撮るため、多くの人々が訪れる場所でもある。秋の山を頂上から見下ろすことができる頭輪山のケーブルカーや、山寺の情緒を満喫できる大興寺も近い。右項里にある恐竜化石地帯は、海岸の絶壁に沿って歩きながら、ススキ野原を眺めることができるお勧めコース。恐竜の一生が展示されている右項里恐竜博物館は、子どもたちに人気だ。
■忠州のピネ島
忠州市にあるピネ島は、たくさんのススキが波打つ「ススキの天国」だ。最近は週末になると、家族連れや恋人たちが訪れ、口コミで噂が広がっているが、まだ名所の仲間入りはしていない。しかしそのお陰で、むしろゆっくりとススキ野原を満喫できる。この島の向かいに流れる川は南漢江。ススキと南漢江が一つになり、秋の情緒を漂わせている。車で入ることもできるが、道がきちんと舗装されていないため、ドライブよりは歩いて回るのがお勧め。川沿いや沼周辺の道など、歩いてたっぷり2時間かかるほど広大なススキ野原が広がっている。島を散歩した後は、近くの陵岩温泉ランドで温泉につかり、旅の疲れを癒すのもいいだろう。炭酸温泉のぬるめの湯が柔らかく体を温めてくれる。時々、軍事訓練により島に入ることができない場合があるため、出発前に必ず忠州市庁に電話で問い合わせること。
■抱川の鳴声山
雲の上を歩いているような、銀色のカーペットの上を歩いているような気分になれる。京義道抱川から江原道鉄原にかけてそびえ立つ鳴声山(海抜922.6メートル)の稜線に従って歩いていると、まるで夢を見ているような錯覚に陥るはず。約19万8000平方メートルの広大な稜線に沿って広がる銀色のススキ野原は、まるで夢の中の景色のようだ。新羅末期に「泰封」を建国した弓裔が、亡国の悲しみを泣き叫ぶと、山も一緒に泣いたという伝説を持つこの山は、山すそに大きな湖がある。湖の静かなたたずまいと黄金色のススキの波が一体になった風景は、まるで雪景色を描いた水墨画のようだ。軍部隊の射撃場で射撃訓練が行われているときは登山が禁止となるため、出発の前に必ず抱川市庁に問い合わせること。