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ぺ・ヨンジュン、出版記念記者懇談会で「農夫になりたい」(一問一答)
俳優ペ・ヨンジュンの初のフォトエッセイ集『韓国の美をたどる旅』出版記念記者会見が、9月22日午後2時からソウル・国立中央博物館で開催された。記者懇談会での質疑応答は以下の通り。
―まず、先生方や大勢のファンが心配されていると思いますが、健康状態はいかがですか。
「ご心配をおかけして、大変申し訳ありません。先生方にお会いして、力を得ることができました。ずいぶん、回復したと思います」
―『韓国の美をたどる旅』を書くことになったきっかけと感想を。
「きっかけは、日本の記者会見で『韓国の名所を紹介してください』という質問に答えられず、恥ずかしい思いをしたことです。また、海外の家族(ファン)が撮影現場だけ訪れて、帰ってしまうことも残念でした。最初は観光地やおいしい店を紹介する本を企画したのですが、それよりも韓国の文化や情緒を知らせたほうがいいと思い、企画を変えました。作業は大変でしたが、先生方のおかげで、無事に完成することができました」
―本は一人で全部お書きになったのですか。
「はい。私の本を読みましたか?」
―はい。たくさん勉強したような気がしました。
——本の各テーマを選んだ過程とその理由は。
「日ごろから関心を持っていた13のテーマを選びました。本や新聞を読んだり、人から紹介してもらったりしました。多様な分野でしたが、作業工程はスムーズにいったと思います。完璧ではないのがちょっと残念です」
―大変だったことは。
「原稿書きが締め切りギリギリになってしまい、出版の日程が遅れてしまったことです。後の作業をしてくれるスタッフたちが、とても苦労したと思います」
―次の本の出版予定はありますか。
「本よりもこれからは俳優として、次の作品を作らなければと思っています。家族の皆さんに、長いことお待たせしましたから。でも、本を作る作業は本当に魅力的な作業だと思いました。次に本を出す機会があるとしたら、韓国の名所やおいしいものを紹介する本を出したいです。文章は少しにして、写真を中心にしたいと思います」
―本のために旅をした場所で、もっとも推薦できる場所は。
「本当に難しい質問です。いいところはたくさんありますが一つだけ挙げるとしたら、記憶に残っているのは、慶州の黄龍寺跡(ファンニョンサジ)です。遺跡で今は何も見えないんですが、粛然としていて、いろいろ考えさせられる所でした。家に帰ってきた後でも、まだ見落としたものがあるようで、また、行ってみたいと思いました」
―陶芸や漆芸などあまりに上手だったので、先生方の中には「後継者にしたいと思った」という話もあるようですが、気楽に長く続けられるものがありますか。
「難しい質問ですが、端的にお答えしましょう。農業をやりたいと思っています。農夫になりたい。皆さん、農業をどういう風にやるのかご存知ですよね(笑)? その理由は自分の足で土を踏んで、手で土を触って、何かを植えて実らせたい。健康な食べ物を誰かに作ってあげることは、すごく幸せなことだと思います。その時期はまだ未定ですが。陶芸や漆芸なども、もちろんずっとやりたいですが、一番やりたいのは農業です。職業欄の一つに加えるとしたら『農夫』です」
―「作家ペ・ヨンジュン」ではなく「俳優ペ・ヨンジュン」にはいつ会えるのでしょうか。ドラマ、歌手、映画など具体的な予定は。
「歌手になることはありません。農夫になった時に遊びにいらしたら、歌って差し上げます(笑)。俳優ペ・ヨンジュンというものがなかったら、作家ペ・ヨンジュンもなかったと思います。ですから、良い作品を選んで家族(ファン)の期待に応えたいです」
―体を壊されたということで、ファンも大変心配していることでしょう。1年間、本を制作するのに大変な苦労をされたと思いますが、一番大変だったことは。
「わたしが文章を書いていてどんどんやせていったら、『最初はみんなそうだよ』と、ある記者さんがおっしゃいました。それから『次の作品を書く時には、たぶん太るだろう』と。やせたことで体力も落ち、具合が悪くなってしまったと思うのですが、今は回復してきましたので、すぐに良くなると思います。心配をおかけして、大変申し訳ありません。家族(ファン)の皆さま、両親、また、この場にいらっしゃる皆さま、申し訳ありませんでした」
―最後に一言、何かありますか。
「締め切りを守ることができなかったのが残念です。誤字があります。257ページの下から2行目は「西」の塔ではなく「東」の塔です。悔しい点や恥ずかしい点もありますが、韓国文化に関心のある方たちが、私の旅を本で共にしていただき、韓国伝統文化の良さを感じてもらえたら満足です」
質疑応答では、ボールペンでメモを取る様子もいつも通り、ときにはユーモアで会場を笑わせながら、各質問に真剣に答える姿が印象的だった。 『韓国の美をたどる旅』で、ペ・ヨンジュンが一番記憶に残っている場所が、慶州の黄龍寺跡(ファンニョンサジ)だという。その写真が表紙になっている本を手にして、ペ・ヨンジュンの「旅」への想いが伝わってくる気がした。
来年2010年には韓国観光広報大使に任命されているぺ・ヨンジュン。11月からは『韓国の美をたどる旅』ツアーもスタートする予定で、本の出版がきっかけとなり、韓国文化への関心につながればと、関係者の期待も大きい。
ソウル=野崎友子通信員