映画
韓国官能映画の代表作『愛麻夫人』とは(中)
申相玉(シン・サンオク)、金綺泳(キム・ギヨン)監督の下で成長し、当時すでに20作余りの映画を手掛けたチョン・インヨプ監督(現・韓国映画監督協会理事長)の演出と、やぼったいようで甘い申秉河(シン・ビョンハ)の音楽も見事だった。イム・ドンジン(夫)、ハ・ミョンジュン(過去の恋人)、ハ・ジェヨン(年下の青年)など、当代のスターたちが出演。今回の富川映画祭回顧展では、『愛麻夫人』の直後に制作されたアン・ソヨンの『自由処女』が上映される。
83年に封切られた『愛麻夫人2』では、元ミス・コリアの新人女優オ・スビが主演した。大半が隠喩(いんゆ)と想像の世界に閉じ込められていた1作目とは違い、具体的でさまざまな体位が登場し、ヒロインのキャラクターもはるかに積極的なものに変わっていた。
海に飛び込んで濡れた体で波を受けたり、馬に乗って草原を駆け抜けながら大きな胸を揺らす場面を、劇場内の観客が息を殺して見ていたほどだという。この映画の演出陣の中は、後に『トゥー・カップス』を撮ることになる康祐碩(カン・ウソク)監督がいた。
1作目のアン・ソヨン、2作目のオ・スビは当時セックスシンボルに浮上したが、この二人のグラマーな女優が共演した唯一の作品が、『罠の女』(1985、高栄男〈コ・ヨンナム〉監督、原題『女、女』)だった。当時ポスターに書かれていたコピーは「何をそんなに待っているのですか」で、男性主人公ユ・ドングンの名前の上には「幸運の男」と書かれていた。
3作目(1985)からは、性欲が露骨に表現された。「ヨム・ヘリ」という芸名で同作に主演した「3代目の愛麻」はキム・ブソン。シリーズ4作目『パリの愛麻』(1988)は、フランスでさ迷うヒロイン(ユ・ヘリ)の姿を描いた。しかし、筋書きが2作目の使い回しだった上に、「世界中に韓国の男女の恥をさらした」と酷評された。