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韓菓名人キム・ギュフン氏の限りない挑戦(中)
■薬菓の作り方
*材料:小麦粉400グラム、塩小さじ1杯、ごま油、清酒、蜂蜜大さじ6杯、コショウ少々、食用油適宜、水飴液5カップ、すり生姜30グラム、水1カップ
1.小麦粉に塩、コショウ、ごま油を入れて混ぜうらごし機でうらごしする。
2.蜂蜜、生姜汁、清酒を1入れ軽く練る。
3.薬菓板に油をひいたあと2を入れ、型をつける。
4.3を浮き上がるまで揚げ、こげ茶色になるまでもう一度揚げる。
5.揚げ上がった薬菓を熱いうちに水飴液に漬け、甘みが十分に付いたら取り出して冷ます。
■夏のお茶会メニュー
夏は気温が高く、蜂蜜や水飴で作った菓子は溶けやすいので避けたほうがよく、果片(果物で作ったゼラチン風の菓子)や形の変わらない薬菓、正菓(生姜などを蜂蜜や砂糖水で煮詰めたもの)が望ましい。だが菓子を望まないなら、冷たい飲み物や冷たい果物でもよい。飲み物は、五味子花菜(蜂蜜や砂糖で味付けした五味子の汁に、果物の小片や松の実を浮かべた冷たい飲み物) やすいか花菜がお勧めだ。
■韓菓の定義と由来
韓国では伝統的に菓子を果釘類と称した。果釘は菓子を意味する語で、漢字語で穀物に蜂蜜を混ぜた物を意味する。文献によると「果」という語が使われ始めたのは10世紀前後だが、本来法事で供えられた「果」は果物を意味するものだった。しかし果物がない季節には穀物の粉と蜂蜜で作った物を果樹の枝に刺し、供え物として代用したとされている。このような菓子を果物と比較し、加工して作った果物の代用品として造菓と呼んだが、近代になっては洋菓子と区分し、薬菓、カンジョン、ヨッカンジョン、茶食、果片と呼び、これらを称して韓菓と呼んでいる。
■韓菓を保管する方法
防腐剤を使わなくても長期間保管できる韓菓は「韓菓院」で開発した包装紙によってさらに賞味期限が長くなったのは事実だ。だが、より新鮮で味を落とさずに保管する方法は別にある。韓菓はほとんどが揚げ物のため多孔性だ。したがって、空気との接触をできる限り遮断しなければ固有の味と香りを保持できない。食べ残した韓菓はそのまま袋に入れるのではなく、封をしっかりしめ、涼しいところに保管しよう。冬は食べる前に暖かいところに30分ほど置いて食べるとしこしこして柔らかな感触を味わえる。
■韓菓の効能
韓菓が発酵食品だということを知っている人はそれほど多くない。厳密に言えばパンもイースト菌の発酵作用によって作られるため発酵食品だ。発酵食品は消化されやすいという特徴を持っている。
一方菓子は、バターと砂糖が使用されるため胃に負担を掛けやすい。韓菓は発酵食品なので消化がいいのはもちろん、天然の材料だけを使っているため血をきれいにし、胃腸を丈夫にする。
夏の暑い日にだるく食欲がない場合も、もち米や米、豆、蜂蜜、ごまなどが使用された韓菓を食べれば食欲もわく。
■韓菓院
*アクセス:東ソウルターミナルで鉄原方面のバスに乗って曇川で降り、山井湖行きのバスに乗り換え、韓菓博物館入口で下車。曇天でタクシーに乗る場合は5分程度。
*所在地:京畿道抱川市永北面山井里520番地 韓菓院
*TEL:031-533-8121
*営業時間:10時-18時
*定休日:毎週月曜日
記事=オ・スンヘ
写真=チョン・ソクビョン