「服を着こなしが上手かどうか」は、「アクセサリーの合わせ方が上手かどうか」に通じる。着物を着るときもそうだが、韓服を着るときも、小物を効かせれば着こなしをさらに引き立ててくれるだけでなく、着る人の身分・品格や特別な日であることを象徴するものとしても使われてきた。季節に関係なく一般によく知られている韓服に合う女性のアクセサリーを中心に挙げてみよう。


ノリゲ -朝鮮時代、女性用チョゴリの結びひもやチマの腰の部分につけるアクセサリー。身分に関係なく広く愛用されてきた。材料は銀が最もよく使われ、七宝焼きで装飾する。ノリゲにつける組みひものような飾り結びはその材料や意味によって名称が違う。例えば、粧刀(装飾した小刀)ノリゲや針山ノリゲなどがある。

ピニョ – 髪を結ったり、シニヨンにしたりした後、髪がほどけないようにとめる「かんざし」のこと。昔から結婚した女性だけが使ってきた。金属の材料では銀製が一番多いが、玉(ぎょく=宝石の一種)やサンゴ、琥珀(こはく)製などもあった。とても高価なので、家宝として代々引き継がれていた。急にお金が必要になったときにノリゲやピニョを売り、急場をしのぐという女性の話はドラマや映画でもおなじみだ。

トゥイッコジ -貴族女性の間では、大きな髪の束を結い上げた「カチェ」というヘアスタイルが流行していたが、朝鮮時代後期に禁止されると、髪をシニヨンにしてまとめる女性が増え、かんざしではない髪飾り「トゥイッコジ」が広まった。これには実用的な面もあり、くしのほこりを取り除いたり、耳掃除をしたり、髪の分け目を作るのに使われた。夏には翡翠(ひすい)や白い玉(ギョク)を、冬には金メッキやサンゴ製のものが好まれた。銀で作ったトゥイッコジは季節を問わず使われたらしい。ちなみに、チョウ・ハチ・鳥などが花を飛び回っている模様は、夫婦和合や子孫繁栄を望む女性の気持ちを表すとのことだ。

ナムバウィ - チョバウィやアヤムは主に女性用のかぶり物だが、男性はマンソンドゥリやフィヒャン、子供はクルレをかぶった。ナムバウィやプンチャには男女の区分がなく、広くかぶられた。どれも、もともとは寒い日に頭にかぶる防寒具なので、動物の毛皮を主に使い、最も高い階級ではテン(貂)の毛を使った。一番の特徴は額や耳を覆うようになっているのに、頭頂部が空いているということだ。


クィチュモニ - お金や小物を入れるための巾着で、実用性はもちろん、装飾性や芸術性もある。老若男女を問わず広く身につけたが、その歴史はとても長い。形で分類すると、丸い物をトゥルチュモニ、両側に角が出ているものをクィ(耳)チュモニ(袋)と呼んだ。庶民の間では、新年を迎えて最初の亥(イ=イノシシ)の日や子(ネ=ネズミ)の日には、いった豆や穀物をチュモニに入れプレゼントしたという。そして、新婚女性は里帰りした後、嫁ぎ先の家に行く際に、手製のチュモニをしゅうとやしゅうとめに贈ったと伝えられている。

トルトシ – 防寒用に腕にはめた「腕ぬき」で、チョゴリの袖に似た形になっている。開化期(1876年)以降は装飾用として芸術性が高まり、外側はほとんど絹で作られていた。

ポソン – 足を守るポソン(足袋)は、主にコットン製。おしゃれのために綿(わた)のポソンを履いたという記録もある。朝鮮時代の女性たちは小さく幅が狭い足を美しいと考えていたそうだ。

靴 - 朝鮮時代の両班(ヤンバン=官僚階級)の靴は絹張りだった。乾いた地面の上でだけ履いたので「マルンシン(乾いた靴)」とも呼ばれ、男性用は「テサヘ(太史鞋)」、女性用は「タンヘ(唐鞋)」「ウンヘ(雲鞋)」という。特に、「ウンヘ」には「コッシン(花の靴)」「ピダンシン(絹の靴)」という別名も。ゴム製のゴムシンと形が似ていて、靴底は毛布のような布が敷いてあるので暖かい。1足作るのに72回手をかけるというほど真心が込められており、婚期を迎えた女性はこれをそろえるのが婚礼準備の一つだった。

文=オ・スンヘ

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