TBSで好評放送中の『エデンの東』。主演のソン・スンホンは、『夏の香り』以来5年ぶりのドラマ出演であり、超大作というプレッシャーを跳ねのけ、ドラマを大ヒットさせただけでなく、俳優として大きな成長を見せた。

 今月17日に、夏Sacas‘09 Sacas Water Parkの オープニングデーのスペシャルゲストに招かれ日本を訪れたソン・スンホンに、インタビューすることができた。

―『エデンの東』で2008 MBC演技大賞で大賞を受賞されましたが、このドラマで俳優として自信や確信ができましたか。

 「りっぱな賞をいただき、大きすぎて肩の荷が重いですね。たくさんの先輩がいる中で自分がいただいてしまい、まだ早すぎたのではないかと思います。この賞を背負っていかなければという気持ちはありますが、これから未熟なところ、足りないところを埋めていこうという、そんな気持ちにさせられるきっかけとなりました」

―『エデンの東』は「自分に足りないものが何なのかを感じさせてくれたドラマだった」と発言されていますが、足りないものとは何だったのでしょうか。

 「今までは、ミニシリーズに出ていたのですが、50話以上のドラマ作品は初めてでした。長いドラマはきちんと計算して臨まなければいけないんだということを後になって感じたんです。しっかりキャラクターの分析をして撮影に臨んだつもりでしたが、途中でどのようにキャラクターを表現したらいいのか、息を長く呼吸したらいいのか悩みました。まだまだ年輪が浅いせいもありますが、立ち止まってしまうことや、力尽きてしまう場面もありました。ユ・ドングン、イ・ミスク、チョ・ミンギら先輩方は最初から最後まで、力の配分、調節ができており、そういうことも含め学ぶことが多かったです」



―ハードな撮影が多かったと思いますが、一番大変だったのは、どんな点でしょうか。

 「前半は、香港での撮影が多く、気候も暑く、ドンチョルが苦労して生活をしているということを表現しなければいけないので、肉体的に苦しかったです。1970年代後半の炭鉱村が背景となっている撮影は江原道でしたので、韓国で最も寒い地域ということもあり寒さとの戦いもありました。時代背景があり、どこでも撮れるわけでもないので大きなセットを組んだり、場所の制限もあったりと苦労しました」

―クランクアップ後に、「ドンチョルとして生きてきた時間をしばらく忘れることができないと思う。1 日になるか、1年になるか…」とおっしゃっていましたが、4カ月がたちました。今、どんな気持ちですか。

 「撮影は1年がかりでしたので、朝起きると、撮影に行かなければ…と思ってしまうことが今でもあります。共演者の方々と電話で話をすると、当時のことがよみがえり、名残惜しさ、至らなかった点をくやんだり、といった思いに駆られます。いつか、今回のメンバー全員でまた別の作品を何かやりたいと思っているほどです。そうすれば、もっともっといい演技ができるのではないかと思うんです」



東京=野崎友子通信員

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