俳優パク・シニャンが11日、東京・中野サンプラザホールでの「DANDE LION パク・シニャンファンミーティング」(主催:株式会社フラウ・インターナショナル)の開催に伴い、来日記者会見を行った。そこで、「ドラマ出演停止」問題について、初めて自らの口で語った。

 ドラマ制作社協会(シン・ヒョンテク会長)から無期限出演停止処分を受けている問題についての見解を問われたパク・シニャンは、「どんな答えが返るか皆さん、気になるのではないでしょうか」とジョーク交じりに前置きし、「これまでは話をする機会がなかった。もっと早く立場を説明するべきだったかもしれない」と語り始めた。

 「『風の絵師』はほとんど1年間撮影して、終えた後、家族のいるニューヨークに帰って子供たちと過ごしていたらある日突然、そういったニュースが飛び込んできて、自分も何が起こったかわからなかった。自分にそういうことを下した人がどういう人なのかもまったくわからなかった。自分はこれまで一生懸命演技をしてきただけなので、彼らがどんな人たちなのかを知る機会もなかったし、どうしてそういうことになったのかもいまだにわからない。しかし、言えることは、彼らは特定の人にそういう判断を下す立場にないということ」。戸惑いと同時に不快感と反発の意をはっきり示したパク・シニャンだった。


 そして、そういう状況下で演技の仕事に支障があるのではと懸念した質問に「これからも素晴らしいプロジェクトがあれば参加したい。韓国にこだわらず、アメリカやほかの場所でも、愛する演技を続けていきたい」と俳優への意欲に衰えがないことも明確に示した。

 さらに「生きているといろんなことに巡り合う。自分の知らないところでいろいろなことを言われるが、的を射ていることもあれば全然違うこともある。今は自分でもまったくわからない状態に置かれている」と困惑の中にいる状態だということを重ねて強調した。

 韓国でのそんな現在の立場のせいもあり、ニューヨーク滞在を続けているパク・シニャンだが、このたびニューヨーク工科大学(NYIT)で、演技の講師を務めることになったと明かした。


 「これからやるべきことがたくさんある。ニューヨークのNYITで演技の講義を行うことになった。これまで自分は韓国とロシアで演技を学び、10年間演技活動をしてきた。その間に学ぶことの大切さを知ってきた。そして、アメリカの人にどう教えられるかわからないが、今回大学で教える機会を与えられた。『風の絵師』でもそうだったが、後輩に対して教えていくことの意味を深く考えさせられた」とした。

 「後輩たちのための奨学金も作った。これはずっと考えていたことだが、『風の絵師』をやったことで、これから後輩たちにどういう愛情を注ぐことができるかを考えた結果。これから100ぐらいの奨学金を作っていきたい。どういう風に役立てるかを考えていく。多くの賛同者を集めて奨学金を増やし、韓国だけでない世界的な奨学金、いろいろな国の人も共に演技を学べる学校を作りたい」との抱負を熱く語った。

東京=野崎友子通信員

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