7日夜、東京・新宿ミラノ１にて『映画は映画だ』のプレミア上映が行われ、ソ・ジソブとともにW主演を務めたカン・ジファンが舞台あいさつを行った。

　カン・ジファンはドラマ『がんばれ！クムスン』で人気に火がつき、『京城スキャンダル』『快刀ホン・ギルドン』などでトップスターの仲間入りを果たしたが、本格的な映画出演は同作が初めて。

　満員の観客の熱い歓声の中、白のスーツ姿で、映画パネルを持って登場したカン・ジファン。「スゴイデスネ～」と日本語で一言。「韓国には、これほど大きな映画館がないので不思議な気持ち」と感激の様子で感謝の意を示した。

　『映画は映画だ』に出演した経緯について「今まではソフトなイメージの役が多かったので映画では男っぽい役をやってみたいという気持ちが強かった。そんな時にこのシナリオをいただき、ぜひ挑戦したいキャラクターだと思い期待して臨んだ」と語った。

　その出来栄えに関しては「大きなスクリーンに映った自分を見て、ドキッとするような気持ちになった。その時の感動は忘れられない。初めての出演作だったし、低予算でしかも短期間の撮影だったのでなかなか思うように演技ができなかった」と所感を述べた。

　映画の役柄(カン・スタ)との相違点・共通点は、「私はとてもやさしいし、きたない言葉も使いません（笑）。共感できたのは、いろいろな人と心を通わせることができなかったり、オープンな場所で気楽に誰かと会うこともできない。ストレスの解消法もない、つらい寂しい気持ちが同じ俳優としてわかるような気がする」とした。

　「でもそんなときに元気をもらうのは、カン☆スター(日本公式ファンクラブの名称)。寄せられたカキコミを読み、大きな力をもらっている。今、韓国でも『花より男子』のＦ４が大人気でつらい。若い俳優に負けないようにお肌の管理をして、身体を鍛えているので、ほかの人のファンにならないで」とカン・ジファンらしい明るいジョークでファンに感謝とともにアピールしていた。

　なお、この日２度目の上映会では、一番後ろの席でカン・ジファンはファンと一緒に映画を鑑賞。そして、上映後にふたたび舞台あいさつに立ったという。

　「皆さんの息遣いが聞こえてきた。どう見ているのか見守っていたが、気を感じられて胸がいっぱいになった。苦労をして撮った分成功できるよう、やりがいを感じられるよう力を貸してください」と締めくくったとのことだ。カン・ジファンの同映画に対する熱情があらためて感じられた。

　カン・ジファンはこの作品で「韓国映画評論化協会賞」「青龍映画賞」「大韓民国映画大賞」「百想芸術大賞」という韓国の名だたる映画賞で新人賞４冠を達成し、今後の活躍がますます期待されている。

　映画俳優の夢を捨てきれないヤクザ、ガンペ（ソ・ジソブ）とヤクザより暴力的でプライドが高い映画スター、スタ（カン・ジファン）。まったく別の世界を生きる男二人が「映画」の中でだけその人生が交錯する。果たして、その結末は…。

　ソ・ジソブとカン・ジファンW主演、鬼才キム・ギドク原案の『映画は映画だ』は3月14日、シネマスクエアとうきゅうほかにて全国順次ロードショー公開される。

東京＝野崎友子通信員