-今回、共演者の方々との息は合いましたか。

 「俳優同士の呼吸を合わせる、ということは、お互いがお互いを配慮できるか、だと思うんです。今回は、尊敬できる先輩が多かったんですが、カメラが回ると先輩後輩ではなく、同じ立場の俳優。その気持ちで取り組みました。カメラの外では、一緒に飲みに行ったりして、そういう場で自分をできるだけ見せて、そして相手にわかってもらう、共感してもらう。そんなふうにして、皆さんと親しくさせてもらいました」

-終盤では、体調が悪くなりましたか? 声もつらそうな時がありましたが。

 「自分は比較的体調管理には気を付けている方なんですが、17、18話でへんとう炎になって、熱射病にもかかってしまいました。感情シーンもアクションシーンも多いという時に…実は、点滴を受けながら撮影をしていました。本当に、体にはきつい仕事でした。今度はもっと楽な役をやりたいですね(笑)」

-このドラマの時代に生きていたら、「一枝梅」のようになれますか。

 「自分なら、ヨンのように暮らすと思います。一枝梅みたいにはできない。彼はえらいですよ。自分は英雄にはなれません(笑)」


-自分がほかの俳優さんにこれだけは負けない、ということはありますか。

 「正直なところ、人より優れているとは思いません。でも、マインドコントロールというか、自己暗示が必要なんです。自分は人よりうまいと思わないと、負けてしまう。いい演技は出来ません。そう思わないと、思えないと、夜も眠れなくなります」

 これまで、イ・ジュンギの時代劇といえば『王の男』のイメージが強かった。誰もが知るイ・ジュンギをスターダムにのし上げた作品だ。『一枝梅』で、イ・ジュンギはコンギルを払拭できたのだろうか。この作品でコンギルを超えたと思うか、という質問に「難しい。比べることができるものではなく、超えるとか、そういう風に表現したくない」と答えた。

 イ・ジュンギは、いつもその時の「自分の爆発的な力」を発揮するために、いろいろな仕事に挑んできた。「自分には何ができるのかわからないが、とにかく努力し、最高のものを見せる」という。その姿勢、自分に課す「自信」こそが、イ・ジュンギを1作ごとに着実に引き上げているのだと感じた。

 イ・ジュンギが美しき義賊“一枝梅”を演じ、2008年度上半期の一番のヒット作となったフュージョン時代劇『一枝梅』(http://www.so-net.ne.jp/adtv/irujime/)は、11月25日よりCS放送チャンネル「アジアドラマチックTV★So-net」で日本初放送される。共演は、パク・シフ(『完璧なお隣さんに出会う方法』)、ハン・ヒョジュ(『春のワルツ』)、イ・ヨンア(『黄金新婦』)。



東京=野崎友子通信員

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