2006年のMBCの連続ドラマ『愛は誰にも止められない』で高校生ウンミン役で一躍人気者となったイ・ヨンア。2007年のSBS週末ドラマ『黄金新婦』で結婚のためベトナムから韓国にやって来たチンジュ役を見事演じ、女優としての評価を上げた。

そのイ・ヨンアが『黄金新婦』が終わるのを待ってすぐ取り組んだのがSBSドラマ『一枝梅(イルジメ)』のポンスン役だった。

「ポンスンはタフで明るい女の子。自分にぴったりだった」と話すイ・ヨンアは、本当に元気でキュート。まだ「女の子」といってもいいぐらいのみずみずしさと、周囲を暖かくする雰囲気をもった女性だ。

-どうして、『一枝梅』を選んだのですか。

 「『黄金新婦』撮影中にシナリオをもらったのですが、アン・ギルガン(ポンスンの育ての親コンギル役)さんの出演が決まっていて、その推薦があったようです。イ・ジュンギさんが出るということで、彼はいろいろな演技ができる俳優だと思っていたので、共演してみたいと思いました」

-そのイ・ジュンギさん(一枝梅)はウンチェに気持ちが傾きますが、どう思いましたか。

 「残念ではありますが、カタルシスを感じました。ポンスンに思い入れをしてくれる人が多いです(笑)。片思いは誰もが経験すること。自分は愛されるより、愛したい、と思いますから」



-現場の雰囲気はどうでしたか。

 「雰囲気はすごくよかったです。この現場では、ゴザをひいてジャージャーめんを食べたりとか、皆集まってワイワイしていることが多かったです。撮影所が市内から遠いこともあったんですが、帰らないでそのままいたり、先輩たちが終わるのを待っていたり。イ・ジュンギさんは(出演シーンが多いので)休んだほうがいいのに、いつも現場で“それNG”とかふざけたり、いたずらしたりしてましたね」

-本当は、ウンチェがやりたかったのでは。

 「実は、最初マネージャーに“清純可憐なウンチェ役だ”って言われて、喜んじゃったんです。それが結局ポンスン役と聞いて、正直なところがっかりしました。でも結局、小さくて、健康でちゃきちゃきしているポンスン役が自分にはぴったりでした。それに、ウンチェも素敵な韓服を着ていましたが、あまりに優雅で素晴らしいので、いすに座ることしかできない。わたしはどこでも、飛んだり跳ねたりでき、座れるし、行動的になれたので、出演者の方々ともよく話せて親しくなれました。わたしの韓服が一番かわいいと評判になりましたし、この役はイ・ヨンアにしかできない、と言われてうれしかったです」

 イ・ヨンアは質問に一気に、くったくなく答える。「こういうインタビューは初めて」だと言い、緊張も見せながらも「自分は、ヨン(一枝梅)のために命をささげたかった」との思いまで明かした。

 暗い、悲しいエピソードが多いドラマの中で、笑いとなごみを提供してくれるのがポンスンだ。そして、そんな中で引き立つポンスンの数少ない涙のシーンも名場面で必見だ。

 イ・ジュンギがタイトルロールの美しき義賊“一枝梅”を演じるフュージョン時代劇『一枝梅』は、11月25日よりCS放送チャンネル「アジアドラマチックTV★So-net」で日本初放送される。



東京=野崎友子通信員

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