2日開幕した第13回釜山国際映画祭(PIFF)のハイライトは、やはりレッドカーペット・イベント。中でも「レッドカーペットの女王」キム・ヘスは最も期待されるスターだった。

 ところが、同日午前にチェ・ジンシルさんが自殺したというニュースが伝えられ、PIFFに出席する予定だったスターたちも騒然。ほとんどのスターは長い間準備してきた重要なイベントだとして、やむを得ず悲しみを胸に秘め、レッドカーペットに登場したものの、キム・ヘスはレッドカーペットに立つことを潔くあきらめた。釜山まで万全の準備を整えやって来たが、とめどなくわき上がる悲しみと涙に、とてもレッドカーペットに立てる状態ではなかったという。

 キム・ヘスの関係者は、この背景について「はじめはほかの女優さんたちのように黒いドレスを着て出ることも考えた。ヘスの涙が止まらないこともあったが、準備したロングドレスは華やかすぎて、亡くなったチェ・ジンシルさんに礼を欠くという思いから、レッドカーペット・イベントをあきらめた」と語った。その後も、キム・ヘスは釜山でのスケジュールをひっそりとこなした。

 結局、キム・ヘスがいないレッドカーペットは「あんがないアンパン」のように寂しいものとなってしまったが、キム・ヘスの深い友情をかいま見せるエピソードだ。

釜山=パク・ジョングォン記者

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