2日に開幕した第13回釜山国際映画祭は、突然この世を去ったチェ・ジンシルさんに対する追悼ムード一色になった。

 アジア最大級の映画祭の開幕にもかかわらず、歓声はほとんど巻き起こらなかった。一世を風靡(ふうび)したトップ女優の死に、映画祭に出席した俳優たちは静かにレッドカーペットを歩いた。

 釜山国際映画祭のキム・ドンホ執行委員長は同日、釜山市海雲台区にある水営湾ヨット競技場の野外スクリーンで行われた開幕式で、「とても悲しく大変申し上げにくいことですが、国民の愛を一身に受けた、魅力的な女優のチェ・ジンシルさんが他界されました。釜山映画祭に出席した映画関係者と共に、故人のご冥福を心よりお祈りいたします」と哀悼の意を表した。

 1990年にチョン・ジヨン監督の『南部軍』でスクリーンデビューを果たしたチェ・ジンシルさんは、その後『私の愛、私の花嫁』(同)、『あのね、秘密だよ2』(同)、『ミスター・マンマ』(92年)、『女房殺し』(94年)、『私は願う、私に禁じられたことを』(同)、『手紙 The Letter』(97年)などでスクリーンを華やかに彩ってきた。

 チェ・ジンシルさんと共演したことがある俳優の一部はレッドカーペット・イベントに姿を見せず、スケジュールを調整し、祭壇が設けられたサムスンソウル病院(ソウル市江南区逸院洞)を弔問のため訪れた。2日午後1時にソウル発釜山行の飛行機に乗るはずだったイ・ビョンホンもスケジュールを変更、午後3時にサムスンソウル病院斎場を訪れ、遺族にお悔やみの言葉を述べた。

 また、レッドカーペット・イベントに姿を見せた俳優も、多くが哀悼の意を込め黒いドレスやスーツを着た。チェ・ジンシルさんと共演した経験があるアン・ソンギやチャン・ドンゴンの表情は一様に暗かった。

 映画界の関係者は「長い間、国民的女優として愛されてきたチェ・ジンシルさんの死に、映画界は新人からベテランまで大きなショックを受けている。観客へのあいさつなど最小限のスケジュールに抑え、公の場に出るのをできるだけ自粛しようと考える俳優が多い」と語った。





チョン・サンヒ記者

【ニュース特集】チェ・ジンシルさん自殺

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