◆自由な雰囲気の家庭、目標達成は確実に

 大衆歌手、クラシックのミュージシャン、ミュージックビデオの監督兼事業家として、それぞれ成功への道をまっしぐらに進んでいる3兄妹。ここまでそろって有能となると、一体どんな家庭で育ったのか知りたくなる。

 「両親は平凡な人たちですが、人とは違ったところも確かにあります。子どものころから目標達成と自分の義務を果たすこと、これだけは絶対に守らされました。そのほかはほとんど自由でした。例えば『国語の点数を何点まで上げたらおもちゃを買ってあげる』と約束をするというような感じでした。1点でも低ければ買ってくれませんでした」

 「特に芸術分野に力を入れていたわけでもありません。兄がピアノを習いに行っている間、僕はブレイクダンスに魅了され、B‐boy(ブレイクダンサー)として活動をしながら全国の大会に出場したりしていました。『自由にやりたいことをさせる』という最高の教育方針の家庭でした」

 となると、末娘BoAの歌手デビューの過程が知りたくなる。スンウクさんが落ちたオーディションにBoAが受かったという噂もあるからだ。



 「その部分についてはこの際はっきりさせたいと思います。僕が出場したダンス大会のコーナーの中に、観客らによる自慢大会があったんです。そのときにBoAが舞台に上がり、人気を独り占めにしました。その日のうちに数十枚の名刺を受け取り、オーディションを受けに行ったのがSMエンターテインメントだったというわけです。僕とは本当に何の関係もないんです」

◆BoAに会うため5月に日本へ

 末娘まで歌って踊る仕事がしたいと言い出したとき、両親は大反対したという。しかし自分の道を見つけて歩み始めている兄たちを見ながら、両親の反対は徐々に小さくなっていった。

 「これはあまり知られていない事実ですが、父は昔、TBCテレビでサウンドエンジニアをしていました。退社後も音響装備関連の仕事をしていたことがあります。父と母は中・高生時代に弁論大会で知り合ったというし、きっとそういう血が流れているんでしょうね」

 各自の領域で忙しい毎日を送っている3人兄妹が全員集まれるのは1年に数回しかない。そんなときは必ずみんな一緒に外食をするとか。実際、BoAの兄という事実がプラスにもなればマイナスにもなる。兄たちが常に悩み、注意深く行動するのもそのためだ。

 「あと10年は『BoAの兄』という代名詞がついて回ると思います。もしかしたら一生かも。妹に迷惑がかからないようにしてきたことが、むしろ自分の発展に役立ったような気もします。1度会っただけでよく覚えてくださるし、一生懸命頑張れば人一倍高く評価いただける…。マイナスよりプラスの方が多いようです」

 最年少ながら3人の中で一番大人びているのはBoAだ。10年以上も社会生活をしているせいか、兄たちのケンカを仲裁することがあるほど。3人で一緒にビールを飲みながら、二人の兄がBoAから教わることも多いという。

 「5、6月にBoAが日本でコンサートツアーをするので、家族で応援に行く予定です。そうでもしなければ顔を見ることさえ難しいので」

 3人が自信を持って成していく「成功神話」。誇らしい思いで、そして羨望のまなざしで見守っていきたい(写真=メタオロジー・ピクチャーズ)。

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