俳優のチェ・ミンスさんが高齢者男性を暴行したとされる事件を捜査しているソウル竜山署は30日、被害男性の主張は大部分が著しく誇張されたものだったとの見方を明らかにした。

 捜査担当者は、チェさんと被害男性(73)による対質尋問と目撃者証言などに基づくと、殴る蹴るの暴行はなかったことが分かったとした上で、チェさんが被害者を引きずったまま数百メートル車を走らせたという主張も誇張だったと判断を示した。

 捜査関係者は凶器による脅迫があったとの被害男性の主張についても、「ナイフが手動ギアのそばに置かれていたことに被害者が脅威を感じたとみられる」との見解を明らかにした。

 このほか、チェさんと被害男性の口論を目撃した目撃者は「チェさんが(被害男性を)殴ったり蹴ったりする場面はなかった。二人が首をつかみあって口論していて、被害男性が倒れこんでチェさんにつかまるのを見て、止めに入った」などと証言したという。

 また、チェさんが被害者を引きずったまま、スピードを出して車を走らせたという主張についても、目撃者の証言に基づき、車は時速10-15キロで徐行しており、事件が起きた場所も狭い上り坂で高速走行が可能な場所ではなかったと結論づけた。

 捜査関係者は「暴行に関しては二人が和解しており公訴権はないとみているが、凶器に関する部分はチェさんがナイフを突きつけなかったとしても、被害男性にナイフに対する認識があったという点から書類送検する方針を決めた。社会的波紋が大きい事件なので、検察の指示に従う」と話した。

 対質尋問は3時間に及び、チェさんと被害男性は感情的な対立なく、淡々と供述したという。

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