ドラマ
太王四神記:名セリフ残し最終回、結末の意味は?
オープニングもエンディングも壮大だった。
大作ファンタジー時代劇『太王四神記』(MBC系)は5日、自己最高視聴率の35.7%(TNSメディアコリア調べ)をマーク、足かけ3年の大きなプロジェクトが幕を閉じた。
それぞれの分野でトップクラスのカリスマ的存在であるペ・ヨンジュン、金鍾学(キム・ジョンハク)監督、脚本家のソン・ジナが手を組むということで、期待を集めた『太王四神記』が、度重なるピンチを乗り越え、ついにテレビで放映された。ふたを開けてみれば世間の心配をよそに、平均視聴率30%以上と大成功のうちに幕を閉じた。
ラストシーンについては数多くの推測を呼んだ。だが、スタッフは「タムドク(ペ・ヨンジュン)は黒朱雀になったギハ(ムン・ソリ)の前で、彼女に対するすべての誤解を解き、“神と人間界のうち、わたしは人間への信頼を選ぶ”と宣言した後、四つの神物を消し、ギハに向かって歩いていく」というシーンを選択した。ネット上に「オープンな結末?」「難解すぎる」などの意見が相次ぐ中、スタッフは広開土大王碑文を一部紹介、タムドクの政治的功績について字幕スーパーを出すなどして、「あくまでこのドラマは歴史物ではなくファンタジー時代劇」と強調した。
精巧なコンピューターグラフィックス(CG)映像と大規模な戦闘シーンを前面に打ち出した『太王四神記』は、430億ウォン(約51億6000万円)という韓国テレビ史上最高額の制作費のほかにも、韓国で放映中に海外で放映がスタートした初のドラマとなるなど、多くの珍しい記録を残した。そして「韓国でも米国のドラマのように完成度の高いものが作れる」という可能性を示した。
ナンバーワンの韓流スター、ペ・ヨンジュンが海外だけでなく韓国内でもトップ俳優であることを再確認できたのも大きい。『冬のソナタ』以来、5年間ドラマに出演していなかったが、そのブランクをまったく感じさせず、下火になった韓流ブームを再び熱くするきっかけを作った。
だが、制作発表会や打ち上げの省略、数回にわたる放送開始延期、「生放送」と言っても過言ではないほどの撮影・編集の遅れ、出演俳優やスタッフの相次ぐけがなど、残念な出来事も少なくなかった。放送終了と同時に金監督とペ・ヨンジュンが入院したのも、このドラマが苦難の歳月を乗り越え放映を終えたことを物語っている。
タムドクは「人のすることにはすべて間違いがあり得る。しかし、わたしは人を信じる。わたしが成し遂げられなければ、後世に誰かがしてくれると信じている」と語った。これが数多くの問題を乗り越え、ついに視聴者との約束を果たしたスタッフが、世に伝えたかったメッセージなのかも知れない。