映画
PIFF総括<Ⅰ>:規模の拡大速度に運営追いつけず(下)
今回の釜山国際映画祭には様々な問題点が指摘された。映画祭の成長の速さに、システムが追いつかないためだ。
エンリオ・モリコーネに対する儀式の問題と、ガラ・プレゼンテーションの進行に問題があった『M』をはじめ、上映取り消しがきちんと公示されなかったこと、ボランティアメンバーとスタッフの経験不足などは、釜山国際映画祭が解決しなければならない宿題である。
『M』のガラ・プレゼンテーションは、こうした状況を予測していた制作会社側が、映画祭サイドにより広い会見場を準備することを要請していた。
しかし、映画祭側が、他の3つのガラ・プレゼンテーションも同じ広さの場所で行われるという原則を強調したためのが災いを生んだ。
ガラ・プレゼンテーションは、巨匠の新しい映画を紹介し、自由な対話を誘導するために用意されるものだが、映画を見ることが出来ない状態で進行され、単なる写真撮影会に終わってしまうことも、来年以降に持ち越される課題である。
予期せぬ激しい雨が降ったが、これに対する適切な対応がなされていなかったことも指摘される。野外でのイベントや上映がキャンセルされる場合、速やかに公示されるべきだった。観客に対する配慮が不足していた。
また、映画祭の規模に比べて予算が足りないこともシステム不備の一因となっている。予算確保は決して簡単なことではないが、アジア最高の映画祭へと成長した釜山国際映画祭の地位に見合う、多様な方法を模索しなければならない。
キム・チョン・リョン映画祭広報チーム長は、「今年多くのことを体験したことによって、これまで反省だけしながら実行に移せなかったことを、速やかに変えなければならないという共感が生まれた。ボランティアとスタッフの教育、選出、効率性など、色々な問題に対する議論をする計画だ」と語った。
第12回釜山国際映画祭は、報道されたこととは異なり、映画祭ファンからは変わらぬ愛情を受けた。大きく増加した観客数がこれを立証している。
今年釜山国際映画祭が受けた色々な指摘は、より一層愛される映画祭になるための成長の痛みとして記憶されるであろう。