今年の秋夕（中秋節）の映画館街は特定ジャンルにこだわらず、好きな映画を心ゆくまで楽しめそうだ。

　秋夕前後に封切られる数多くの映画を見ると、今年もやはりコメディー・タッチのものが主流だ。しかし、それに対抗する大作、恋愛物、感動作もで、映画館街を訪れる人々にとっては「選ぶ楽しみ」がある。

　コメディー物と言っても、すべて同じタイプではない。ロマンチック・コメディーやヒューマン・コメディーなど、作品の性格により細かくジャンルが分かれる。

　今年の秋夕の映画館街は、例年にも増して豊富な「品ぞろえ」で観客を誘惑する。それだけに、観客たちも「コメディー一辺倒」とはいかないだろう。

◇秋夕シーズンの話題作7本

▲『クォン・スンブン女史拉致事件』

　『アタック・ザ・ガス・ステーション！』（1999）、『風林高』（2001）のキム・サンジン監督が3年半ぶりに手がけた作品。シチュエーション・コメディー『思い切りハイキック！』でシットコム進出だけでなくコメディー進出も果たしたベテラン女優ナ・ムニを前面に押し出したコメディー映画だ。天下無敵の人質クォン・スンブン女史と、どこか足りない誘拐犯3人組が繰り広げる誘拐詐欺事件を描く。

監督：キム・サンジン/出演：ナ・ムニ、カン・ソンジン、ユ・ヘジン、ユ・ゴン、パク・サンミョン/公開：9月13日

▲『ふたつの顔を持つ僕の彼女』

　もう1人の「猟奇的な彼女」が誕生した。『ふたつの顔を持つ僕の彼女』で初めて主演を果たしたチョン・リョウォン。この作品でチョン・リョウォンは多重人格のヒロインを演じ、超小心者で恋愛初心者のポン・テギュを一喜一憂させる。多重人格の彼女と恋愛初心者の男の予測不可能なラブストーリー。

監督：イ・ソクフン/出演：ポン・テギュ、チョン・リョウォン/公開：9月13日

▲『楽しい人生』

　05年『王の男』、06年『ラジオスター』に続く、イ・ジュンイク監督の感動作。イ・ジュンイク監督はバンドをテーマに40代の「オジサン」たちの夢と情熱を描いた。心温まるストーリーと思わず笑ってしまうエピソードを見る人の心に届けてくれる映画だ。

監督：イ・ジュンイク/出演：チョン・ジニョン、キム・ユンソク、キム・サンホ、チャン・グンソク/公開：9月13日