14日、東京・新宿区の韓国伝統民俗食堂で俳優、イム・ヒョンシクがファンクラブ主催で初のファンミーティングを開催した。

 イム・ヒョンシクは、「宮廷女官チャングムの誓い」のトックおじさん、「オールイン」ではイナ(イ・ビョンホン)の叔父さん、「悲しき恋歌」の神父など、日本でも大人気のドラマに多く出演しており、日本では最も顔を知られた脇役俳優だ。もちろん韓国では日本以上に有名な喜劇俳優で、助演のトップ俳優とも言われ、ドラマ、映画、CMなどで幅広く活躍している。

 ファンミ会場に、韓服姿でイム・ヒョンシクが登場すると「トックおじさんだ。本物だ」とファンから感激の声が上がる。冒頭のあいさつで「アルジェリア語しか出来ないので、日本語が話せなくてすみません」といきなり笑いを誘った。

 ファンの「これからやってみたい作品は」という質問に「熟年の恋愛もの」と答え、「若い人は経験が少ないから、年取った人がやる方が経験が豊富だから、いいものになるに決まってるでしょう」とユーモアたっぷりにあの笑顔で答えた。


 また、NHK朝ドラから出演の話があったと告白。その際は結局出演に至らなかったが機会があったら日本の仕事もしてみたいと語った。

 共演したい女優は、と問われると「素敵な女性ならだれでも」と答え、サイン会では女性にはその都度「あなたは結婚してるんですか?」と尋ねる。女性に優しく女好きなキャラそのままに、終始イム・ヒョンシクらしさを振りまき、ファンへの感謝の気持ちを自分流にめいっぱい表していた。

 一方、ファンがいない場でのインタビューでは、実力派俳優としてのプライドと真摯な姿を見せてくれた。

 自分が今後目指すものは、との問いには「カリスマ。カリスマ助演俳優になりたい」とし、そのためには悪役などに取り組むのもよい、と述べた。


 軽快で冗談交じりの台詞が多いことから「アドリブが多いのでは?」と尋ねると、「アドリブは相手や作家、監督に迷惑がかかるので」としながらも「チャングムでは、自分がアドリブをしてヤン・ミギョンやキョン・ミリを戸惑わせたこともある」といたずらっ子のような顔で告白。

 一番好きな作品は、との質問には「自分はどの作品でも全力投球する。悔いがないように、そして皆に喜ばれるように。そうすれば、また次によい作品に出会わせてもらえる」とし、作品を上げることはしなかった。

 61歳、芸歴35年を迎えるベテラン人気俳優の秘密が少し見えた気がした。

東京=野崎友子通信員

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