彼女に会ったら、絶対にしなければならない質問が一つある。それは当然、元恋人のペ・ヨンジュンと今も会っているかどうかだ。別れるとき、特別に憎み合って分かれたわけでないのなら、連絡くらいはするのが人情だろう。

 「そのことについてはノーコメントです。何も言うことはありません」


 彼女はひとまず、肯定も否定もしなかった。こうした言葉が余計に気にかかりさらに尋ねると、「ン…」とは言うものの、とうとうその部分についてははっきりとした言葉は聞けなかった。しかし映画界では「友達として会う」ことはあると噂されている。ペ・ヨンジュンについて話すときは「オッパ(本来は“兄”の意味だが、女性が先輩や親しい男性を呼ぶときに使う言葉)」と言い、現在進めている脚本のことなどを考えれば、以前のように恋人としては関係が発展したわけではないが、良い先輩・後輩関係は保っているということだ。男女の間柄はスパッと割り切れるものでもないから、いつでも関係が発展する可能性はあるだろう。

 とにかく会えてうれしい。彼女はもう少し韓国にいる予定だ。映画制作が具体化すれば、本格的にメディアに姿を見せるだろう。映画監督イ・サガンの人生はこれからだ。

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