苦労の跡がありありと残るアルバムだ。2年連続で最多アルバム販売枚数をマークした男性3人組の人気グループSG WANNA BE。ビートが心地いい「ミディアムテンポのバラード」と、感情をギュッと凝縮し泣き叫ぶような「牛追い歌唱法」はK-POPS界の主流になった。

 「変わらなければ生き残れない」というプレッシャーに押しつぶされたのだろうか。昨年発表した3枚目のアルバムで歌い方を変えることに力を入れていた彼らだったが、今月6日にリリースされる4枚目のアルバムでは曲のスタイルにまで思い切って「メス」を入れた。国楽(韓国伝統音楽)のはっきりしたリズムやメロディーにどっぷりと浸ったタイトル曲『アリラン』はその中でも意表をついた選曲。彼らは肩肘を張った様子もなく「“国楽POPS”というニュー・ジャンルを開拓したいという思いでいっぱい」と語る。

 「民謡『アリラン』を聞くと、全身に鳥肌が立つ時があります。韓国人だから反射的にそうなるのでしょう。みんなもこの歌を通して僕たちと同じように改めて韓国人であることを噛みしめてほしいです」(キム・ジノ、21)

 国楽のリズムに乗り、歌が流れ、伽椰琴(カヤグム)や牙箏(アジェン)といった十数種の国楽楽器が彼らの音を鮮やかに彩る。「『アリラン』を歌いながら何度も涙を流しました。泣いたらとてもつらくなって座ったまま歌ったこともあります。レコーディングの直前、すごく気持ちが良すぎるときはマネージャーさんに“ビンタして!”と頼んで感情をコントロールしようとしたほどです」(チェ・ドンハ、26)

 キム・ヨンジュン(23)は「今年から本格的に日本に進出する予定なので、日本のファンの前で『アリラン』を歌うことを考えると、体が震える思い」と話す。また別の収録曲『恩』は軽快なラップが間に入り、異彩を放っている。だが、耳に馴染んだメロディーにメンバー全員が心から歌声を合わせ、最もK-POPSらしい仕上がりになっている。

 現在、K-POPS界で一番「コンスタントにヒットを出している」人気グループは、自分たちのことをどう思っているのだろうか。「デビューしてからやっと満3年を迎えた僕たちがそうした位置にいるということは、正常なことではないでしょう。何せ変化が激しい世界なので、プレッシャーもかなりあります」(チェ・ドンハ)

 昨年末、彼らの所属事務所に移籍してきた人気No.1女性シンガーのイ・ヒョリとは、あっという間に親しくなった。「さっぱりしていて素直で、飾り気がない」という「褒め言葉」ばかり飛び出す中、チェ・ドンハが一言、言い放った。「僕たちは“イ会長”と呼びます」。キム・ヨンジュンがニヤっと笑い、フォローする。「ヒョリ先輩はあまりにも人気があるから、マネージャーさんたちがいろいろとやってあげるじゃないですか。それにジェラシーを感じているんですよ。お金もたっぷりありそうだし。僕たちは“冷や飯”です。“ヒラ社員”というか…(笑)」。

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