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芸能人の自殺:「刹那的人気」が「永遠の苦痛」に…?
ドラマ『屋上部屋の猫』でスターダムにのし上がったタレント、チョン・ダビンさん(26)=本名チョン・ヘソン=が10日、首を吊って亡くなっているところを発見された。警察によると、チョンさんは10日未明まで清潭洞の飲み屋でお酒を飲んだ後、午前3時20分ごろ交際相手のガンヒ(21)=本名イ・ガンヒ=宅、ソウル市江南区三成洞のLビラにやって来たという。警察は「同日午前7時50分、チョン・ダビンさんがトイレのタオル掛けに浴用タオルを結んで首を吊って亡くなっているのを交際相手のガンヒが発見し、通報してきた」と発表した。
警察は「遺書は発見されていないが、外傷がなく、最近チョン・ダビンさんの以前の所属事務所とのトラブルで親しいマネージャーが拘束されたことに大変心を痛めていたという遺族側の証言により、死因は自殺と推定される」と説明した。しかし、警察はこの日遺族の要請を受け、チョン・ダビンさんの遺体を検死解剖することにした。警察側は「チョン・ダビンさんの死因が自殺ということに疑わしい点はないが、遺族側が別の可能性を提起しており、確認の次元で解剖を実施する」と発表した。検死解剖は12日か13日に行われる予定だ。
チョン・ダビンさんは9日午前5時ごろ、自身のミニホームページに「頭の中がこんがらがって死にそう。わけもなく腹が立ち、狂いそうだった。…自分自身を見失い、自分の正体が分からなくなった」という内容の文を書き込んでいた。
芸能界では、先月21日のユニさんの自殺に続き、再び起きた不幸な事件に大きな衝撃を受けている。一方、芸能人の自殺が報じられた後、一般人も自殺を試みる傾向があり、類似事件の拡散を心配する声も出ている。
なお、芸能界関係者らは、芸能人の自殺やひどいうつ病の理由として▲人気に対する執着、▲不規則な生活習慣、▲ネチズンによる「悪性な書き込み」による衝撃などを挙げている。芸能企画会社の代表を務めるAさんは「90年代、1曲の歌で歌謡界に旋風を巻き起こした歌手の場合、個人事業が失敗してまともに活動ができなくなり、対人恐怖症の症状を見せ始め、過食症で30キロ以上も体重が増えた。早いうちに成功した芸能人は、詐欺などに引っ掛かるケースも多い」と語った。
インターネットを通じて流れる各種のうわさやネチズンによる非難の書き込みは、最近芸能人の新たな悩みの種となっている。ファームエンターテイメントのカン・テギュ理事は「いわゆる“アンチ”ファンの無慈悲な書き込みを読むと、数時間気が抜けて正気に戻れないほど、悶々としてしまう芸能人も多い。その過程で、極端に自殺を思いつく場合もあるのではないか」と話した。最近は芸能ビジネスの拡大で芸能人と所属事務所間の紛争が次第に増え、芸能界での競争がより一層激しくなり、「一発屋」が量産されることも、芸能人らがひどい挫折感に陥る要因の1つだ。
延世大心理学科のファン・サンミン教授は「現在、ますます多くの若者が自殺を人生の苦しい峠を避ける1つの手段として選択している状況だが、芸能人も同じようだ。“ウェルテル効果”(有名人の自殺後に起きる、連鎖性模倣自殺)までを言及するのは行き過ぎた拡大解釈かもしれないが、人気芸能人の自殺が若者たちに影響を及ぼす場合が多いので心配だ」と話している。