「以前は“平凡過ぎてダメ”といわれることが多かったのに、今では“平凡だからいい”と聞くことが多くなりました。」

 ソル・ギョングが、自身の最高の魅力は「平凡さ」にあると話し、注目を引いた。

 間もなく公開される映画『熱血男児』で、初めて本格的なヤクザ演技に挑戦したソル・ギョングが、本紙とのインタビューに答えた。ソル・ギョングは、自身のデビュー時について「自分よりもかっこいい俳優がたくさんいる中で、自分が主人公を演じることができたのは、運がよかったことと、人間関係に恵まれている部分も大きかったように思う」と語った。

 漢陽大学の演劇映画学科卒のソル・ギョングは当初、演技ではなく演出を勉強しようとしていたが、偶然舞台に立つことになって以来、舞台演技に興味を持つようになったという。その後、演劇を中心に活動した彼は、映画デビュー作となった『ディナーの後に』(1998)に出演した時でさえ、映画出演を続ける考えはなかったとのことだ。

 ソル・ギョングは「演劇をしながら“映画の世界も少し見てみよう”というつもりで、軽く踏み込んだのですが、結局演劇には戻れず映画の方にとどまってしまいました。しかもこんなに“平凡”な顔で成功し、今では多くの方々に期待されながら演技をしているということは、本当に運がよかったとしかいいようがありません。実に感謝すべきことです」と打ち明けた。

 だが、自ら平凡と言うそのルックスは、ソル・ギョングにとって一番の武器ともいえる。ソル・ギョングは「映画『ペパーミント・キャンディー』(1999)に出演する前、ある監督に会ったんですが、その方は私を目の前にして“俳優はどこにいるんだ?”と皮肉たっぷりにあいさつしたんです。“俳優らしくなく平凡だからダメ”といっていた人たちが、私が『ペパーミント・キャンディー』に出演した後は、“平凡だからどんな役も演じることができる”と手の平を返したかのような反応をしました」と笑いを交えながら話した。

 また「イ・チャンドン監督は、私が平凡だから『ペパーミント・キャンディー』にキャスティングしたそうです。監督は、平凡な私だったからこそ、演出しやすかったと後で話してくれました。私は個人的に、映画の登場人物が周りの環境によって変わり、感覚のない冷たい人間になっていく様子が好きです。まさに人生が人を変えるんです。だからこそ平凡な俳優がこうした人物を演じやすいんだと思います」と語った。

 11月9日に公開される映画『熱血男児』でソル・ギョングは、友人の復讐のため地方に出向いたところ、まず復讐相手の母親に会ってしまうヤクザのチェムン役を演じ、ナ・ムニ、チョ・ハンソンなどと共演している。最後にソル・ギョングは、この映画について「観客の皆さんが映画上映の2時間、十分に楽しんでくださればと思います。ただもう少し欲をいえば、皆さんの心にずっと深く残るような作品になれれば嬉しいですね」と笑顔で抱負を語った。

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