映画『グエムル』が日本で興行に失敗した。韓国の日本映画専門家や怪獣映画専門家らは「予想できた結果」と口をそろえて言う。

 2日に日本で公開された『グエムル』は初週の興行成績で7位にとどまった。韓国映画最高の興行作という自負を持って大々的にプロモーションを行ったことを考えれば、期待とは程遠い結果だ。

 韓国のある日本映画専門家は「日本でのプロモーション方法が間違っていた」と指摘する。「怪獣映画の本場といえる日本で、“すごい怪獣映画、新しい怪獣映画”と大々的に打って出たため、公開前からアンチが生まれた」という。「日本のマニアを刺激しすぎて、彼らの癇(かん)に障った」との分析だ。

 また別の専門家は「ターゲットとなる観客の設定を間違えた」と話す。「日本で怪獣映画を見る観客層は子供とオタク。しかし『グエムル』は欧米の超大作をPRするように宣伝した」。さらに「日本では『LIMIT OF LOVE 海猿』『デスノート』『日本沈没』といったハリウッドスタイルの超大作が多数公開され、稀少価値が下がってしまった」と言う。「怪獣映画というジャンル自体が下火ムード」とも指摘する。実際、日本の人気怪獣シリーズ映画『ゴジラ』の最終編として大々的に宣伝された『ゴジラFINAL WARS』も興行失敗に終った。

 「『グエムル』は徹底して韓国でだけ通じる物語」と断言する専門家さえいる。「政治的伏線や漢江をはじめとする見慣れた風景は、韓国人には親近感を与えるが、外国人には馴染みがない」という意味だ。


 日本の映画専門サイト「超映画批評」の映画評論家、前田有一氏は「『グエムル』は矛盾している映画」と断定する。

 「怪獣のVFXをハリウッドに外注したのに、ひどく反米的な設定(怪獣は在韓米軍の廃棄物不法投棄により誕生した)であっさり恩を裏切るなど、『グエムル』は制作の背景がいかにも韓国らしくて笑える。『グエムル』は、現代韓国を象徴するような映画であり、韓国を知りたいと思う人には強く薦めたい一本だ」と評している。

 日本の主な映画サイトには『グエムル』に親しみを感じないという意見が多い。特に政府に対する信頼が強い日本人たちは『グエムル』の中で韓国人が韓国政府に不信を抱く内容が理解できないという反応だ。「映画でパク・ヘイルが火炎ビンを作るシーンにはどういう意味があるのか」と尋ねる日本人もいるそうだ。

 こうした感覚の違いを乗り越えるには、「韓流マーケティング」ができる韓流スターがいなければならない、という結論に至る。韓流スターのいない映画で、日本での興行成功を確信していた『グエムル』の失敗は、韓流が続くのかどうか心配している韓国芸能・映画界に新たな悩みの種を提供したことになる。

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