病気は嫌だがきれいな病室で静かに横になり本でも読みたい…サラリーマンであれば誰でも1度は考えることだろう。そんな人たちにはぴったりの場所がある。

 漢方治療と遺跡地巡りをしながらゆっくり泊まって寛げる「ヘルスツアー」を運営している「コッマウル慶州漢方病院」と蔚山市蔚州郡の「艸楽堂」。2カ所とも保健福祉部傘下の保健産業振興院が保健観光事業体に指定している施設だ。以下は記者であることを明らかにせず、8月19日から21日まで体験した内容だ。体験には孝行旅行も兼ねて80歳にある母も同行させた。




 ソウルからセマウル号に乗って慶州駅に到着すると午後12時8分。タクシーに乗ってコッマウル慶州漢方病院まで行く。3600ウォン(約430円)の距離だ。

 コッマウル慶州漢方病院は敷地1500坪に建てられている伝統韓国式家屋。食堂で簡単な食事を終えた後、巨大なカプセルのような形をした脈斑石の低温サウナに入る。全身からジワジワと汗が出てくる。これに続いては採血(肝臓機能の検査など)、超音波検査が行われる。


-脈斑石カプセル低温サウナ-

 血圧をチェックし、基本的なカウンセリングを受けた後、手足のツボを金属で刺激し、内臓機能を調べる経絡機能検査、ボールペンのような形をしたハリで指の先を刺して血を採る血液検査、虹彩(眼球)検査も行う。これに続き、ストレス診断、末しょう血管の弾力性検査が行われる。検査はコンピューターの前に5~10分間座っているだけでいい。次は院長先生とのカウンセリングの時間。「少陰人(四象体質理論にもとづいて考えられた、人体の4種類の体質(太陽・太陰・小陽・小陰)のひとつ)だ。体の中が冷たい方。激しい感情の動きを抑えるように」などの診断が続き、漢方薬(16万ウォン(約1万9000円))を飲むように言われたが、断るとそれ以上は勧められなかった。この後、手と足にヨモギの葉を使ったお灸をする。指圧のベッドに横になり、横になって行う機械運動コースまで終えたら午後6時。すべての診療が終わった。

 夕食はサムバプ(ご飯と肉を野菜などで包んで食べる料理)を食べた(8000ウォン)。宿所のモクファ・ビジネスホテルは期待以上だった。スタンダードのダブルの部屋にはガラスのシャワーブースにヒマワリの形をしたシャワーがついており、真っ白い清潔なシーツのベッドとコンピューターが備え付けられている。

 翌日午前8時50分。ホテルまで病院の職員が迎えに来た。コッマウル慶州漢方病院に戻って朝食を食べ、ツアーに出発。仏国寺と大陵苑を散歩するコースだった。入場料の支払いや送迎はすべて病院側が行う。最後に病院が追加費用なしで水に溶かして飲むと体に良いという粉薬をプレゼントしてくれた。

-料金など-

 1泊2日のコースが1人当たり9万5000ウォン(2人1室)。慶州市内の宿泊施設に泊まるため、1人1室を希望する場合は1人当たり15万ウォンになる。着ていった服でそのまま診療を受けるため、動きやすい服装で最大限荷物を減らした方が便利だ。周りには観光名所も多い。毎週火曜日休診(054)775-6600、www.conmaul.co.kr



 ワゴン車が慶州の駅、市外バスターミナルを回りながら顧客をピックアップする。慶州から車で30分余りで到着する。艸樂堂はきれいな庭園、黄土の部屋、池、水没地区から運んできた200年以上昔の東屋のある美しいところだ。肉が美味しいことで有名な「ポンゲ炭焼き焼肉」村のすぐ近く。しかし艸樂堂を出てしまうと周りには特別な観光地はない。

 今晩泊まることになる部屋で荷物を解いた。黄土と薬草で作られた壁、オンドルの床は暖かい。横になるだけで体によいというので、少々暑くても我慢して横になる。

 コットンの楽なズボンとシャツに着替え、午後3時から診療が始まる。血圧を測り、体の成分を分析し、心電図を撮る。院長先生が体の各部位を押してみて、2カ所に鍼(はり)を打った。太陰人であるという診断とともに、肺活量を増やす運動をするようにという忠告を聞く。母は20万ウォンの漢方薬を飲むようにと言われたが、断るとそれ以上は勧められなかった。薬草風呂(2万ウォン、20分)の時間。浴槽が狭く少々不便に感じた。この後、振動ベッドに横になり、15分間のマッサージ。6時10分に夕食を食べると、休憩室でテレビを観ることしかすることがない。退屈が嫌いな人は本を持参した方がいいかもしれない。


 翌朝は豆とピーナッツをつぶして作った栄養粥を食べ、ツアー(約3時間)に出発。分かりやすい病院事務長の説明を聞きながら、川前里刻石や恐竜発掘地を見学した後、木の橋で沼地を渡り、盤亀台岩刻画の方へ散歩する。よく行く慶州の観光地とはまったく違ったコースに、新鮮さを感じた。

-料金など-

 蔚山市蔚州郡斗東面にある。診察は午後2時から始まり、翌日午後2時に終了する1泊2日コースは1人当たり10万ウォン。薬草風呂2万ウォン。部屋にはテレビや電話はない。シャワーとトイレは共同。チムジルバン(低温サウナ)(内部に巨大な黄土チムジルバンがある)好きな人にお勧め。毎週火曜日休診(052)264-8001、www.chorakdang.com



 2カ所ともに親切で食事も美味しかった。全般的に悪くはないが、大きな期待をすると失望する。検査結果や注意事項を院長の口から聞くだけなので、少々分かりにくい。検査結果を紙に書いて欲しいものだが…。旅行を兼ねたイベントのひとつ程度に考えて参加しよう。

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