映画『グエムル-漢江の怪物-』の公開を目前に控えたポン・ジュノ監督が、日本の巨匠黒澤明監督の作品をリメークする提案を受けたが、これを断ったことが明らかになった。

 ポン監督は、シネマテック釜山の水曜シネクラブに黒澤明監督の1963年作『天国と地獄』を推薦するにあたり「映画『殺人の追憶』が日本で公開された直後、日本のある制作会社から『天国と地獄』のリメーク作品を作らないかと提案を受けたことがある」と同映画との隠されたエピソードについて公開した。

 しかしポン監督は「黒澤監督のような巨匠と対決するのは、最初から勝ち目のないゲームとわかっていたので、まったくためらいもせず提案を断った」と説明した。

 また「この映画は、エド・マクべインの小説を原作に制作されたのにもかかわらず、いたって日本的なキャラクターとムード、強力な道徳的ジレンマ、躍動的な画面演出と驚くほどの空間描写など、黒沢監督の特有の技法が至るところで見られる」と絶賛した。

 今月23日の『グエムル-漢江の怪物-』の公開日が近づくにつれ、広報活動などで息つく暇もないポン監督だが、水曜シネクラブの上映に合わせ、今月19日午後に釜山を訪れ、観客と共に映画を見た後、講演会を行う予定を立てるなど、黒澤監督の作品とシネマテックに対する深い愛着を見せた。

ホーム TOP