済州道の中文では最近、「海とカヤック」という会社がカヤックに乗って済州道の海を隅々まで探検できる観光商品を作り人気を集めている。日没の美しい遮帰島、雄大な岩の柱が圧巻の柱状節理帯、正房爆布、城山日出峰、ウェドルゲ、牛島などをカヤックに乗って海側から見るのは、遊覧船や展望台から眺める景色とはまったく違った迫力がある。

 「城山日出峰の横に回ると、別名カマウジ島という島があります。カヤックに乗ってゆっくり静かに近づくと、島にいる鳥たちも警戒しません。海ではトビウオが飛び回り、水中で小さな魚たちが群れになって移動する様子も間近で見ることができます」と「海とカヤック」の社長は話す。カヤックで移動する途中にある小さな島でお弁当を食べるのも楽しみのひとつだ。


 用意するのは日焼け止め、防止、サングラスのみ。カヤックに乗る前に10分程度、オールを漕ぐ練習をし、ライフジェケットを着て出発する。時には波のためにカヤックが転覆することもあるが(わざと転覆させて楽しむ人も多い)、ほとんどはズボンを少々濡らすだけでカヤックの旅を楽しむことができる。服が濡れるのは絶対に嫌だという人には防水パンツも貸し出している。

 「海とカヤック」の先導チームの後に従って西帰浦の沖合いにある虎島に行った。虎島の鼻の穴のように二つ並んでいる洞窟にカヤックで近づいてみた。海の上に身一つで浮かんでいるようで少し恐怖感もおぼえるが、すぐに波のリズムに慣れてくる。真っ黒に口を空けた洞窟に向かってオールを漕いでいく。

 暗くひんやりした海食洞窟の中。時には外からの波が洞窟の中の壁にぶつかって大きく揺れ、カヤックも一緒にぐらりと揺れる。上を見上げると六角形や八角形の断層でできた幻想的な岩の天井がはるか遠くに広がっている。外からの日差しで真っ青に光る水の中にも同じような洞窟の壁が続いているのが分かる。オールを漕ぐと、水に濡れたティッシュに触れるような感触がする。「これは何ですか?」、と聞くと「くらげです」という答えが返って来た。洞窟の海の中にはたくさんのくらげがいるようだ。カヤック歴1年というキム・ヒチョルさん(32)は「(歩いたり大きな船では)行けない場所にも行くことができ、隅々まで間近で見ることができるというのがカヤックの魅力」と話す。

 もちろん、初歩者は方向を変えたり、上手くバックすることはできない。熟練者はより尖った長くて大きな(そして転覆の可能性も高い)長距離用のカヤックに乗って西帰浦70里のコースに挑戦することもできる。エンジンのついた船でも波に流されるという馬羅島まで行くこともできるほか、孤独な海と向かい合える冬のカヤックコースもあるとのこと。

 初歩者はカヤックに乗る楽しさでつい遠くまで行き過ぎ、帰り道で疲れ果て泣いたり(?)、船酔いをする人もいるというが、そんなときは熟練者のカヤックと縄でつないでもらおう。初歩者には2~3時間で近くを一回りする「半日コース」(5万ウォン)がお勧めだ。カヤックに乗らなければ見ることのできない隠れた海の名所回り「1日コース」は15万ウォン(4人以上)。お問い合わせは「海とカヤック」(064-738-5526)まで。www.kayaks.co.kr

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