映画
海外では好評のキム・ギドク監督、母国では公開も危うい状況
キム・ギドク監督の新作映画『時間』が完成後の2カ月を経った現在でも、国内で公開されるかどうか不透明な状況が続いており、映画ファンたちが嘆いている。
ソン・ヒョナ、ハ・ジョンウ、パク・チヨンなどが出演した映画『時間』(英語タイトル『Time』)は、キム・ギドク監督の通算第13作、昨年の1月に撮影を始め、2月に撮り終えた。現在残りの作業をすべて終えてから2カ月が経つが、いまだに国内での公開は不透明な状況だ。
映画『時間』は、倦怠期に陥った男女2人が“整形手術”という極端なショック療法によって、お互いの愛を確認していく過程を描いている。このシナリオを読んだ映画関係者の中には、キム・ギドク監督の数多くの作品の中で、最も大衆的な作品になるだろうと評価する人もいた。
最近、同映画は映像物等級委員会からR-18指定を受けたが、関係者によると、これは映画公開に関連するものではなく、国内試写会を行うために必要な手続きだという。今のところ、KT&Gとシネ21の主催により、25日にCOEXメガボックスで開かれる試写会だけが、国内で『時間』を鑑賞できる唯一の機会となっている。
しかしこうした国内の状況とは違って、海外のキム・ギドク監督に対する関心は相変わらず高い。『時間』の海外セールスを担当したシネクリック・アジア社は「今回のカンヌ国際映画祭にも出品するが、今年の2月に開かれたベルリン国際映画祭では既に中国やフランス、イタリアなど約30カ国と契約した」と伝えた。実際、2004年に米国で公開されたキム・ギドク監督の映画『春夏秋冬そして春』は、北米で380万ドル(全体で952万ドル)の興行収益を上げ、米国で公開された韓国映画としては最高額となった。
これまでキム監督の映画は、その作品性から国内外で高い評価を受けている一方で、国内の興行では大きな成果をあげることができなかった。このため映画『時間』は、海外では高く評価され、その興行契約が増えている反面、国内では配給先が見つからず、上映が危ぶまれるという状況に陥っている。世界で韓国映画を代表する同監督の作品が、祖国では見向きもされないという悲しい現状だ。同様に昨年、巨匠イム・クォンテク監督の100本目の映画『千年鶴』も、出演者にスター俳優がいないという理由から、しばらく配給会社と制作会社が見つからない状態が続いていた。