映画
ムン・グニョンとイ・ジュンギは日本の原作映画を超えるか
韓流に続く“日流”が韓国映画界でホットな関心事になっているなか、日本が原作の2本の映画に出演する韓国の2人のトップスターが注目されている。2人の俳優はムン・グニョンとイ・ジュンギ。
日本の人気ドラマや小説をもとにした作品に出演する2人には、“国民の妹”を超える大人の女優への変身、『王の男』以降の新たな可能性の証明、という課題が課せられている。
日本のドラマや小説、映画にいつでも接することができる状況で、原作との比較は避けられないこと。2人の若きトップスターは、日本の原作を超える新たなる姿を見せ、成功することができるのか。
▲ムン・グニョンの『愛なんていらねえよ』VS広末涼子の『愛なんていらねえよ』
ムン・グニョンとキム・ジュヒョク主演の映画『愛なんていらねえよ』は、2002年放送のTBSの同名ドラマが原作。東京歌舞伎町のカリスマホスト、レイジと大富豪の資産を相続する娘、亜子の恋の物語を描いたドラマは、当時それほど高視聴率を記録しなかった。しかし、メロドラマ的要素や早いストーリー展開、俳優陣の好演により、秀作と評価された。全10話の恋愛ドラマをいかに2時間余りの映画に収めるのかがカギ。
当時主演を演じた2人は広末涼子と渡部篤郎。映画『秘密』『恋愛写真』などで韓国でもお馴染みの日本のアイドル広末涼子が亜子役を好演し、独特なカリスマで多くの熱狂的ファンを抱える演技派俳優の渡部篤郎が愛なんて信じないホストに扮し、注目を集めた。
俳優陣の好演で話題になった作品ということから、主演のムン・グニョン、キム・ジュヒョクへの期待も大きい。特に、ムン・グニョンは今回の作品で大人の演技に挑戦することから、関心が集まっている。日本の札幌で行われた撮影現場に現れたムン・グニョンは、一目でやせたと分かり、すっかり大人の雰囲気になっていたといわれる。
しかし、原作で広末涼子はむしろ体重を増やして目の見えない少女を演じたとし、ムン・グニョンと広末涼子を直接比較するファンが現れ早くも比較合戦が始まった。ムン・グニョンは撮影前から盲学校に通い、点字を学ぶなど撮影に気合十分だ。
▲イ・ジュンギの『フライ,ダディ』vs小説『フライ,ダディ,フライ』
『王の男』のイ・ジュンギが選んだ次回作として、キャスティング段階から話題を集めていた『フライ,ダディ』は、日本の作家金城一紀の『フライ,ダディ,フライ』が原作だ。ケンカに明け暮れる高校生と愛する娘のために一世一代の戦いに臨む平凡な父親という異色パートナーの物語を描いた原作小説は、映画化のニュースと同時に再度ベストセラーになった。
しかし、制作会社側が版権を購入したのは、小説『フライ,ダディ,フライ』ではなく、日本映画『フライ,ダディ,フライ』だ。2005年公開当時大ヒットには至らなかったが、在日韓国人の高校生パク・スンシンに岡田准一、戦いに臨む父堤真一の演技が好評を得た。韓国では公開されなかったことから、同映画をチェックしたファンはそれほど多くなかったようだ。
このため、コ・スンソクという名に生まれ変わった映画の主人公を演じるイ・ジュンギは、映画よりも原作小説の名声を超えなければならないようだ。課題は少なくない。背景が日本から韓国に代わり、在日韓国人としての悲しみを心に抱いているという設定自体がなくなり、47人という高校生集団を演出するのも容易なことではなく、その数が大幅に減った。原作のファンにとっては物足りないことかもしれない。
しかし、イ・ジュンギは映画撮影前から格闘技やダンスなどを練習し、多才な高校生スンソクに扮するための努力を惜しまなかった。たった一本の映画で一躍スターダムにのし上がったイ・ジュンギとしても、今回の作品はいろいろな点で意味が大きい。先月公開された撮影現場でイ・ジュンギは見事な蹴りを披露し、努力の成果を取材陣の前で発揮した。一家の大黒柱に扮する演技派俳優イ・ムンシクも韓国版『フライ,ダディ』の心強いパートナーだ。