ソウルの南山散策路は朝から夜まで多くの人々で賑わっている。昨年5月から南山循環路に車の通行が禁止された後からの現象だ。ネクタイを締めた会社員、デートをする恋人たちのほか、ハイキングやジョギングをしている人も多く、団体で来た幼稚園児や小学生たちの笑い声があちこちで響き渡る。

 杖を頼りに歩く視覚障害者の姿も目に付く。新緑と展望を楽しむことはできないものの、南山の風を体に受け、嬉しそうな表情だ。盲導犬と共に散歩に来たというアン・ボンスさんは「車が通っている時は、この道で散歩をすることなど到底無理だったけれど、今では春を感じながらゆっくり歩くことができ嬉しい」と話した。



◆自然をより身近に

 昨年冬に南側の循環路沿いに作られた「松の道」も人気だ。南山の松の半分がここにあるといえるだろう。上りと下りの道のりが3キロメートルと、歩くのには適当な距離だ。特にハイヤットホテル~スボク川わき水飲み場~安重根(アン・ジュングン、独立運動家)記念館のコースが散歩には最適だろう。

 ハイヤットホテル前の3000坪の野生花公園は、12年前に外国人マンションが撤去された場所だ。松と野生花が多く、東屋や小さな池が調和をなしている。国立劇場から北側の循環路に沿って歩いていくと、右側に弓道場がある。長さ約1メートルの矢を200メートル先の的に命中させる様子を見学することができる。

 南山植物園の隣にある臥龍廟は諸葛孔明を祭った祠堂。安重根記念館では義士の一代記を映像で見ることができる。南山図書館~頂上(八角亭)~明洞コースは南山を散歩した後は明洞にまで足をのばしてみよう。



◆リニューアルしたNソウルタワー

 CJが昨年150億ウォンをかけて複合文化空間にリニューアルしたNソウルタワーも見どころだ。特に夜はロマンチックな照明が南山を美しく彩る。午後7時~午前0時の間、毎時間ごとに5分間行われる「開花」の瞬間を表現した照明ショーも一見の価値ありだ。水のように流れる「シャワー照明」、風になびく様子を表現した「ススキ照明」が特に人気。ファーストフードや飲み物を買って椅子に座り、ソウルの景色を眺めることができる「グラス・テラス」と「ルーフ・テラス」は入場無料。展望台(大人7000ウォン、子ども3000ウォン)では、頭の上とかかとに鏡をつけ、絶壁に立っているような気分にさせる「ショッキング・エッジ」が子どもたちに人気を集めている。



◆韓屋村にも寄ってみよう

 南山の北側にある忠武路駅の近くには韓屋村がある。全国に残っていた昔のままの伝統家屋5件をそのまま移してきたもの。中は伝統工芸展示館、伝統庭園、タイムカプセル広場などで構成されている。タイムカプセル広場はソウル市が定都600年を迎えた1994年、現代の生活・風習・人物・文芸を象徴する品物600点余を特殊制作したカプセルに入れ、地下深くに埋めた場所。このカプセルは定都1000年の2394年11月29日に開封する予定だ。韓屋村の隣にある「韓国の家(コリアン・ハウス)」では韓国伝統舞踊が観賞できる。

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