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【キム・ミニインタビュー】本当の女優になりたい
「私にとって演じるということは、難しい課題でした。今ようやく宿題に手を付けたような気分です」
キム・ミニは照れたように頭をかいた。クシュクシュなパーマヘア、化粧っ気のない顔、ダボダボなフード付きパーカー。2000年、ある携帯フォンのCMで「愛は動いてる」「私がアンタのモノだって?」と大胆なセリフを口にしていた昔のキム・ミニはいない。
1日に20.1%という高い視聴率でスタートしたKBS第2テレビ水木ドラマ『グッバイ ソロ』で、カフェの女社長チェ・ミリを演じたキム・ミニ(24)。ドラマ放映前まではミスキャストという論争が起こり嫌な思いもしたが、今視聴者掲示板はキム・ミニの称賛一色だ。「キム・ミニが出てるからチャンネルを回さない」「キム・ミニに勝るミリはいない」。
恋人なのにやさしい言葉一つかけられないチンピラのホチョル(イ・ジェリョン)のハートをモノにしようとヤキモキするミリのキャラクターをよく演じているという評価だ。小学生が本を読むように棒読みしていたセリフも自然になった。「本当に本当に、感謝してます。初回放送が私の誕生日なんです。本当に夢のようです」。キム・ミニから満面の笑顔がこぼれた。
「女優になりたかったんです。正直言って、これまで女優としてはイマイチだったでしょう、そうでしょ?」。ミリになるまでの道のりは険しかった。3~4年前に「キム・ミニ」という名前だけで主役が舞い込んできたころとは違った。新人に戻ったつもりでオーディションを5度受けたが、肘打ちを食らった。「落ちたという電話をもらい、涙がでました。少し前からキャラクターを研究するため演劇学校で呼吸法、発声法も勉強しました。また(脚本家のノ・ヒギョン)先生のもとをもう一度訪ね、頼み込みました。どうしてもミリになりたいと」。ドラマ放映直前に行われた制作発表会でキム・ミニはこの話しを持ち出し、ミスキャスト論に対してムッとした表情を見せていた。
ようやく手に入れた役、けなされるのは死ぬより嫌だと語ったキム・ミニ。台本もテレビ局に行って前もって受け取り、練習した。ケバいなことで有名なキム・ミニが、わざと地味な格好をした。「以前はお芝居するとき服にも気を使ったけど、今は派手な服は着ません。服がお芝居するわけじゃありませんし。お化粧もそんなにしません」
「ずいぶん変わったようだ」というと「いつまでもデキナイ女優と思われてばかりはいられません」と答えた。「ワガママばかりいって、ナマイキと悪く言われたこともあります。でも、テレビ局の方でもそういうイメージをいつも求めるので、私もしんどかった」。インターネットの人物情報に、キム・ミニの趣味が「鏡を見て表情の練習をすること」となっていることが話題になった。「本当に嫌になります。私のこと知らないのに、そんなふうに言われるなんて。私がどこかの国のお姫様でもないのに。それに鏡もあまり見ません」。“弾ける新世代スター”という作られたイメージの脱出にキム・ミニはもがいていた。
キム・ミニは“新世代”という言葉に異常に敏感だった。「もう、私は新世代ではありません。ただの“若者世代”でしょう」。その違いを聞くと「新世代という言葉は新しいものを常に追及しなければならないという焦りがあるけど、若者世代は時代に遅れないほどだったらいいじゃないですか。もう少し、余裕を持ちたいです」と話した。
しばらく話を続けていたキム・ミニが突然、唇を噛んだ。「私、いろいろ考えていることもあるし、本もたくさん読んでいます。インタビューの素質ないでしょう。いいインタビュー記事が出て、ドラマも成功させなくてはいけないのに…」。誰が何と言ってもお構いなしの鼻っぱしの強かったキム・ミニ。自分の足りない部分をそのままにして通り過ぎていたこともあった。しかし、今は違う。足りないから学び、学びながら足りないところに気づく、キム・ミニにも大人になる時期が訪れたようだ。