現在最高の人気ドラマ、MBC『宮』は美しい宮中衣装で話題を呼んだ作品だ。

 しかし、物語に登場する皇太子妃ジェギョン(ユン・ウネ)のフィージョン韓服(ハンボク/韓国の伝統衣装)、宮中の尚宮(サングン)や女官などが着るさまざまな衣装がライバル会社SBSの子会社SBSアートテクのデザインチームが製作したということはあまり知られていない。

 ドラマのセットおよび衣装制作は、自社の美術チームが担当するのが一般的。『宮』のケースのように他のテレビ局の作品の衣装を担当するケースは多くない。

 SBSアートテクも、主に自社のドラマの衣装を担当しており、昨年MBCでオンエアされた『悲しき恋歌』で初めて他社の衣装を手がけた。

 理由は2つ。『宮』と『悲しき恋歌』のいずれも外部制作会社が制作した事前制作ドラマだったからだ。テレビ局の編成が決まる以前からSBSアートテクで衣装が製作され、奇しくも2本ともMBCで編成され、オンエアされることになったというのだ。まだ、編成が決まっていないペ・ヨンジュン主演の『太王四神記』も同社が衣装を担当する。

 SBSアートテクの関係者は「昨年6月から外部の美術チームと一緒に衣装のデザインや衣装進行および衣装製作を外部事業として行ってきた」とし「制作費を削減するための方案で、ドラマの特性に合う協賛会社の渉外も行っている」と話した。

 しかし“敵”に対する虚しさも隠せない。同関係者によると、ドラマが終わった後のエンディングロールでは、公式名称のSBSアートテクではなく「アートテク」となっていたという。

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