CLAZZIQUAIの登場と成功はエレクトロニカバンドとして持つroller coasterの稀少性を半減させた。音楽の明度は確実に違ったが電子音をふんだんに使った音森を作り出すという点で似ている印象は否めなかった。

 だからだろうか?roller coasterは最近リリースされた5thアルバム『triangle』を通じてロック、フォークなどのジャンルで新しい側面を披露する。

 リードトラックの『隠せません』。先ず耳に響いてくるのは重厚なリズムパートだ。ガレージバンド「White Stripes」のドラム音を連想させる。

 ここに滑らかなメロディーラインとチョ・ウォンソンのファンタスティックなボーカルが加わり絶妙な仕上がりになっている。『あなたの歌』はアコーデオンをフィーチャーしてかつての「流浪劇団」の雰囲気を抱かせ、『大丈夫です』は部分的につながるドライな機械音のラッピングが未来世界を連想させる。

 一時期、都会的と評価された彼らの音楽は一言では言い表せない多面的なものになってしまった。

 チョ・ウォンソンの声は無彩色だが、スマートで世の中の秘密を人知れず教えてくれそうで、イ・サンスンのギターとジヌのベースは人間の脈拍に似ているリラックスしたリズムが目立つ。何より嬉しいのは15万枚以上のアルバムセールスを記録したスターバンドの常に変身する姿勢だ。

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