18日午後、ソウル汝矣島の国会近くにある放送作家教育院。講義室を満たした受講生80人のうち男性はたった一人だった。この教育院の姿は「女性による、女性のための、女性のドラマ」を制作する韓国ドラマの現実を象徴的に表している。

 ドラマ分野ほど韓国女性の感受性が卓越した独創性を発揮している分野は珍しい。韓国ドラマは70~80年代を経てドラマの最大消費層として浮上した主婦視聴者の支持を背景にキム・スヒョン、キム・ジョンスら女性スター脚本家時代を切り拓いた。

 韓国ドラマの中心的ジャンルは圧倒的にホーム恋愛ドラマ。『愛とは何だ』『風呂屋の男たち』などで見られる家族関係と男女間の葛藤を描いた内容が韓国ドラマの代表的な構造だ。

 シン・サンイル放送作家教育院長は「当初、韓国のドラマ関係者は日本ドラマを随分と参考にしたが、当時日本で流行していたのが恋愛ドラマだった」と当時を振り返った。

 映画産業の影響を多く受けた米国ドラマと違い、韓国は日本の影響で恋愛ドラマが主要ジャンルとして定着したという。しかし、韓国は日本ドラマの影響をそのまま受けなかった。シン院長は「私たちはここに韓国的な家族というキーワードを組み込み、独自のホーム恋愛ドラマを生み出した」と語った。

 その後、『砂時計』のソン・ジナ氏や新世代女性脚本家のトレンディドラマも数多く登場したが、業界ではまだ「第1世代」の女性脚本家が作ったホーム恋愛ドラマの典型は崩れていないと見ている。

 ドラマ脚本家からも女性趣向のドラマが多様なドラマの出現を阻んでいるという批判もある。ある男性脚本家は「韓国の男性視聴者はテレビの最も重要なジャンルと言えるドラマ分野では徹底的に疎外されている。男性視聴者も家に帰って来て時には涙を流し、心が休まるようなドラマが放送されるべき」と語った。

 特に放送作家の不安定な収入が一家の主としての男性が進出することを阻んでいる。 男性がほとんどを占めるドラマプロデューサーが「自分よりも権力的に低い位置にいる女性」脚本家を好んだのではという指摘もある。

 70~80年代はプロデューサーらが義妹、後輩といった周囲の女性を動員して脚本家として育てたりした。

 今後も当分、韓国ドラマは女性による、女性のための、女性のドラマである可能性が高いというのが専門家たちの予想だ。

ホーム TOP