「本当に驚きました。日本で活動したこともなく、韓国でようやく名前が知られるようになった時でしたが、日本のテレビ局からオファーがあったんです。どうやって噂を聞いてきたのか不思議でした」

 最近、「チュ・ブラック」(見るほどブラックホールのように吸い込まれるという理由で付けられたニックネーム)と呼ばれて人気のMBCドラマ『宮』の主人公チュ・ジフン。

 昨年9月、彼に日本から一本の電話がかかってきた。日本の国営放送NHKの番組『アジアのオトコマエ』に出演してほしいという要請だった。当時、チュ・ジフンはCMや雑誌モデルとして活動していたが、世間にはチュ・ジフンという名前さえ知られていなかった。次代を担う韓流スターと紹介されたチュ・ジフンは自らピアノを弾いて魅力を発散した。

 映画『王の男』で現在人気急上昇中の俳優イ・ジュンギも実は韓国よりも日本で先に名前が売れた。最近、ネット上ではSMAPのメンバー、草なぎ剛とイ・ジュンギのインタビュー動画が話題になっている。


 草なぎが韓国語で番組を進行するフジテレビの番組『チョナン・カン2』の2004年4月に放映されたインタビューで彼は「韓国でも注目されている俳優」とイ・ジュンギを紹介している。ここで注目されるのは、2004年という放送時期。当時、イ・ジュンギは韓国では完全に無名だったが、日本映画『ホテル ビーナス』と韓日合作ドラマ『STAR’S ECHO~あなたに逢いたくて~』に出演して日本国内ではある程度名前が知られていた。

 イ・ジュンギの特徴ある目に先ず注目したのも日本の監督だった。2003年に『ホテル ビーナス』のキャスティングのために韓国を訪れたタカハタ秀太監督は 「イ・ジュンギの目に一目惚れした。いつか必ず大成する」と話していた。彼の先見の明は2年後に実現した。

 視聴率1位を独走中のKBSドラマ『変な女、変な男』に登場するインボム役を演じるヤン・ジヌ。韓国では新人だが、日本では既に韓流スターだ。ヤン・ジヌは昨年5~7月に日本のTBSドラマ『ヤ・ク・ソ・ク』に主演して現地に主婦ファンを抱え、昨年末には東京でファンミーティングも開いた。ドラマを制作したホリプロ関係者は「キャスティングする際、11人の韓国俳優が来たが、その中でヤン・ジヌが最も目立っていた」と話す。

 日本のプロダクションが韓国ではブレイクしていない新人に注目するのは、偏った特定のスターに食傷気味のため。ペ・ヨンジュンやイ・ビョンホン以外の新しい顔に対する需要が増えているわけだ。

 チュ・ジフン、イ・ジュンギ、ヤン・ジヌの3人全員がスマートな顔立ちをしているのは偶然ではない。イ・ジュンギの所属事務所関係者は「日本人の趣向が最近、韓国の若者の間で人気の日本的ファッションやスタイルと一致して逆輸入人気に繋がっているようだ」と話した。

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