今日の昼ご飯は何を食べようか。会社員ならば誰もが持つ悩みだ。年末は酒の席も多く、翌日はご飯よりスープのある麺類が食べたくなるもの。そんな時、思いつくのが韓国人が子どもの頃から食べ慣れている「カルククス」だ。

 フーフー冷ましながら食べるツルツルとした喉ごしのカルククス(麺類の一種)は、お腹の中まで温かくしてくれるだけなく、さっぱりした熱々のスープが二日酔いの体まで癒してくれる特別で気軽なメニューだ。

 ソウル駅前のセブランスビル裏通りにある「明(ミョン)洞カルククス」は、昼休みの時間になると毎日のように行列ができる。この店の代表メニューは店の名を見ても分かるように「カルククス」。10年以上カルククス一筋で来たというソン・キョンシク代表厨房長の腕が周りの会社員の口を魅了し続けている。

 平凡なカルククスとの差は、なんといってもそのスープにある。牛の骨と肉を煮込んだ白濁のスープに、大根、長ネギ、タマネギなどの野菜を入れ長時間に込んだものだが、あっさりした深みのある味が印象的だ。

 この店のカルククスの美味しさのもうひとつの秘訣は「コミョン(薬味)」。ニンニク、ズッキーニ、ニンジン、コショウなどを強火で炒めた薬味をカルククスに交ぜると独特な味わいになるのだ。さらに、醤油と辛い青唐辛子を炒めた「タデギ」を加えることも重要なポイントとなる。

 柔らかくシコシコした麺は、国産の小麦粉を使った手打ち麺。塩水を使い低温熟成させているため、スープをドロドロにせず、小麦粉特有の匂いもない。

 カルククスの味を左右するキムチの浅漬けもこの店の人気の秘訣。店主の故郷、全羅(チョンラ)北道・鎭安(チンアン)で栽培された白菜を直送し、店で直接漬けているという。

 平壌(ピョンヤン)式の肉蒸し餃子も人気メニュー。鎭安産の豚肉、豆腐、モヤシ、ニラを使っている。大きく頬張っても口の中でするする溶けていくような柔らかさだ。

 夜には漢方を使ったポッサム(牛肉のキムチ包み)もメニューに加わる。鎭安産の豚のばら肉を各種漢方薬剤とタマネギ、大根と一緒に煮た後、月桂樹の葉を敷いた蒸し器に入れ、アルコールランプで加熱させて食べるというもの。熱々のままで食べる肉の味は逸品だ。

 カルククス、大餃子(6つ)、マンドゥクッ、トックッがそれぞれ4500ウォン。キノコ餃子鍋2万ウォン、漢方ポッサム2万~3万ウォン。平日午前9時~午後10時まで(土曜日は午後6時)営業。日曜定休日。(02)753-8512

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