映画
ソウルで松竹110周年映画祭開催
日本の映画史の流れを一度に見渡せるイベントが行われる。
17日から30日までソウル楽園洞アートシネマで「日本映画の継承と革新:松竹110周年映画祭」が開催される。松竹株式会社1895年、映画の誕生と同じ年にできた日本の代表的な映画会社。“日本映画の巨匠”と呼ばれる多くの監督がこの110年の間、松竹と作品を作った。
小津安二郎、溝口健二、木下恵介など日本映画独特の美学を確立した初期の監督から、小林正樹、大島渚、吉田喜重など戦後新しい日本映画の歴史を作り上げた日本ヌーベルバーグ(松竹ヌーベルバーグとも呼ばれる)の主役たち、そして80年代以降、世界の映画界に日本映画の存在を新たに認識させた北野武の作品も、松竹から生まれた。
映画祭に出品されるのは、小津安二郎の初期の無声映画の代表作『東京の合唱』(1931)などあわせて19編。特に、今年のベニス映画祭でデジタル復刻版としてお目見えした溝口健二監督の大作時代劇『元禄忠臣蔵』(1941)も含まれており、関心を集めている。日本で最初のカラー映画である木下恵介の『カルメン故郷に帰る』、日本ヌーベルバーグの旗手大島渚のデビュー作『愛と希望の街』(1959)、カンヌ映画祭審査員特別賞受賞作小林正樹の『切腹』(1963)、竹中直人監督の『無能の人』(1991)なども上映される。
また、今回の映画祭では、小林正樹、木下恵介、吉田喜重など監督たちの映画の世界に触れられる特別講演も3回にわたって行われる。