「あんな大統領が現実にいたらいいのに…」

 「まさか大統領府の協賛を受けたのでは?」

 SBSドラマ『プラハの恋人』でヒロインのジェヒ(チョン・ドヨン)の父、ユン・ジョンハン大統領(イ・ジョンギル)が話題だ。50代の元弁護士で記者たちの前で直説的な発言をする突発的な行動、有力な特定グループ会長との葛藤など反財閥、一男一女などの設定が盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領に似ているからだ。

 こうしたことを前提に現実の大統領と共通点を見付けながらドラマを見る視聴者がほとんどだが、「大統領の宣伝ではないか?」といった疑いの声が少なくないのも事実だ。

 キム・ウンスク(33)作家は「意外」という反応だ。キム作家は「特定の大統領をモデルにしたのではなく想像の中の大統領を描き出した。敢えてモデルを挙げるとしたらアメリカのテレビシリーズ『ザ・ホワイトハウス』(ホワイトハウスを扱った政治シチュエーション・コメディ)で見た理想的な大統領の姿が自分でも知らぬ間に影響を及ぼしたようだ」と語った。

 ドラマをもう少し詳しく見れば必ずしも盧大統領だけが連想されるわけではない。娘に切ない父の姿を見せる「男やもめの大統領」という点は故・朴正煕(パク・チョンヒ)大統領を連想させる。

  これについて作家は「『男やもめの大統領』は実は制作費を減らすための苦肉の策だった」と話した。ファーストレディーはやはり、どうしてもそれなりの女優を出演させなければならないからだ。補佐官と友人のように隔たりなく話す姿はマイケル・ダグラスとアネット・ベニングが共演した『アメリカン・プレジデント』を連想させる。

 最近の大統領府はドラマに登場する大統領のイメージにもかなり気を使っている。今月3日に放送されたMBCテレビのシチュエーション・コメディ『アンニョン、フランチェスカ』では盧大統領の合成画面が登場したために大統領府がMBCに不満を示した。今回の場合は事情が異なるが、劇中の大統領としての人気を背に次の大統領選ではイ・ジョンギルが各候補陣営の応援演説で引っ張りだこになるかもしれない。

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