ペ・ヨンジュンと孫芸珍(ソン・イェジン)主演の映画『外出』(日本タイトル:四月の雪)が特別な試写会を開いた。

 ペ・ヨンジュンとソン・イェジン、許秦豪(ホ・ジノ)監督は公開(7日)を1日後に控えた6日午後8時、ソウル・鍾路(チョンロ)区のソウル劇場で、900人余りが参加した中、試写会を開き、観客との率直な対話の時間を持った。

 特に、今回のイベントは国内観客との初対面であっただけに、いつになく熱気が熱かった。

 ペ・ヨンジュンとソン・イェジン、許秦豪監督はこの日、『四月の雪』のOSTアルバムと映画ポスターに親筆でサインし、抽選で選ばれた観客にプレゼントした。

 以下は観客との一問一答。

-『外出』というタイトルからは、何だか2人の主人公の愛が通り過ぎる風のような、いつかは自分の居場所に戻らなければならないような雰囲気が感じられる。2人の愛も、結局は結ばれない愛だという意味なのか。

▲許秦豪監督=インス(ペ・ヨンジュン扮す)とソヨン(ソン・イェジン扮す)が幸せになってほしいと思った。しかし、現実的には2人が持っている傷や過去のために、そう簡単には再会できると言い切れなかったのだと思う。2人はこの先どうなるのか、2人が本当に幸せになれるのか、という部分については、観客の判断に任せるべきだと考えた。

-結婚した状態で新しい恋に落ちる役は、ソン・イェジンさんにとって特別な経験であったと思う。人妻として感情を感じ、表現することが難しくはなかったか。

▲ソン・イェジン=当然ながら、難しかった(笑)。結婚をしていないので、結婚した方々の心理状態をよく知らない。それで、周りの結婚した方々にいろいろお聞きし、間接的にでも映画や本を通じてそういった部分を理解しようと努力した。撮影しながらも、監督やペ・ヨンジュン先輩をはじめ、たくさんの方々から助言を頂いた。経験談を聞かせてもらったり。そのようなことが、映画に多く反映されたと思う。

-「いっそ死んでしまえばよかったのに」という台詞がとても印象深かった。この他に、記憶に残る台詞やシーンがあるとすれば?

▲ペ・ヨンジュン=皆さんもご覧になってお分かりでしょうが、台詞がそう多くない(笑)。しかし、台詞に多くの意味が込められていると思う。「あまりにも遠くに来てしまったね」、「どこへ行こうか」、「私たちどこへ行くの」などなど、本当に多くの意味を含んだ台詞が多かった。

 個人的に好きだったシーンは、突然インスの義父が訪ねて来て、ソヨンがお手洗いに隠れ、出ていたインスが戻って来てソヨンを見つめるシーンだ。その時、ソヨンがインスに「大丈夫です」と言うのだが、そのシーンを撮影する時、本当に胸が痛み、悲しかった。映画の中でもそのシーンが一番悲しかったと思う。だから記憶に残る。

-ベッドシーンが意外に早く登場して驚いた。記事で読んだが、後半に入れようとしたのを、編集の過程で前の方に入れたとか。何か特別な意図があったのか。

▲許秦豪監督=まず、私が『外出』という映画を選んだ理由の一つは、不倫のアイロニーに対する感じが強かったためだ。私たちはよく、「自分がやるのはロマンス、他人がやるのは不倫」と冗談交じりに言う。2人の感情を表現する上で、私が以前作った作品のやり方や、一般人の恋に落ちる手続きをすべて見せたくはなかった。

 その理由は…、何て言うか、2人に弁明の余地を与えたくなかった。その愛の過程を見せることで観客が2人をより同情し、理解することよりも、言ってみれば、2人の愛も他の不倫関係の人々や、配偶者の不倫と同じなのだという事実を、観客により冷静に示す視線が必要だったと思う。

-必ずしも眼鏡をかけたインスでなければならなかったのだろうか。

▲ペ・ヨンジュン=まず、監督は眼鏡をかけた方がいいと仰った。今回の映画では私が一人の人物を形象化し、その人物の状況や感情に対して想像し感情の大きさを計算してある人物を演じるのではなく、いかなる計算も準備もなく、直接その人物に成りすまさなければならなかった。

 そうした時、本来の自分の姿がより自然だろうと考えた。だから、眼鏡を外すよりは、そのままかけた方がいいと判断した。

-映画の中盤、シャワーを終えたソヨンが下着だけを付け、鏡に自分の体を映し見つめるシーンがある。ソン・イェジンさんはその時、ソヨンがどんなことを考えたと思うか。

▲ソン・イェジン=ソヨンは結婚した女性で、夫を愛して結婚したが、インスと出会うまでは情熱的な愛に落ちたことがなかったのではないか、と考えた。自分の体を鏡に映して夫のことを考えたのではないだろうか。「私の体がこんなにきれいなのに…、なぜなの…」と。また、自分の体がどう映るのか知りたかったのかも知れないし。複雑で微妙な思いのするシーンだったと思う。

-インスとスジンの対話を見ながら涙が出た。スジンが意識を取り戻した後、インスは不倫のことについて聞かない。そして、「あの人、死んだよ」とだけ言って外に出る。ペ・ヨンジュンさんはインスの立場から窓の外を見ながら、何を考えたのか。

▲ペ・ヨンジュン=そのシーンで、「スジン、あの人、死んだよ」と話すが、それを言い出すのが本当に辛かった。その言葉自体、スジンには大きな心の傷になると思った。人生を生きていく上で、「僕は絶対にそんなことはしない」と確信し、繰り返し誓うが、一瞬、自分も知らぬ間に矛盾の状況に陥ってしまう。だから、“理解”というのが生まれるのだと思う。

ホーム TOP