ノワールアクション『野獣』(監督キム・ソンス、制作ポップコーンフィルム)の撮影現場で会ったクォン・サンウとユ・ジテ(劉智泰)は互いを褒めるのに忙しかった。

 言葉より拳が先に出る凶悪犯罪専門の刑事チャン・ドヨンと冷徹で隙がないが心に傷を持つ検事のオ・ジヌ役をそれぞれ演じている共に30歳の二人は、「ジテは映画出演の経験が豊富で映画に対する考えもはっきりしていて撮影をしながらいつも頼りにしている」、「すべてのアクションシーンを本人が直接演じるほどの意欲があって、役になり切ることにも優れている」と互いを褒め合った。

 特にクォン・サンウは今回の作品に対する想いが特別なように見えた。

 無名時代、某カード会社のCMで共演しながら仰ぎ見たユ・ジテと同等に並び、映画『火山高』『マルチュク青春通り』などに出演して常に付きまとっていた“学園モノ”のイメージから脱却して成熟した姿に生まれ変わった。



 そんなクォン・サンウが「今回ほど見た目に気を使わなかったことはなかった。髪も洗わずに撮影現場に行ったり、歯磨きを忘れることも多い。それでも今日は取材があると聞いてこれでもマシなほう」とふざけて爆笑を誘った。

 クォン・サンウは「日本だけで人気があって韓国ではそっぽを向かれるような俳優にはなりたくない。人気スターよりは性格俳優の道を歩みたい」と今後の意気込みを語った。

 ユ・ジテも「クランクインした日が30歳の誕生日と重なってか、今回の映画で新たに生まれ変わったような気持ち」と語った。

 ユ・ジテは当初、年齢が実際とはかけ離れたオ・ジヌの雰囲気に合わせるために一度は増量したが、自分が予想したイメージとは違うと感じると、すぐに9キロを減量してみせた。

 ユ・ジテは「サンウが体でアクションを演じるのなら、自分は言葉でアクションを演じるスタイル。台詞が多いのでミスのないように神経を張り巡らせている」と言う。

 『野獣』はチャン・ドヨン、オ・ジヌのコンビと政界入りを保障された大物ヤクザのユ・ガンジン(ソン・ビョンホ)の命を賭けた対決を描き、9月末まで撮影が行われ、12月に公開される予定だ。

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