ユ・ジテ(劉智泰)とクォン・サンウが団結した。

 映画『野獣』(監督キム・ソンス、制作ポップコーンフィルム)を通じてだ。

 最近、盆唐(ブンダン)コリアデザインセンターのロビーで行われた『野獣』の撮影現場で野獣に変身した二人の俳優に会った。インタビューの終始、二人は互いに対する賞賛の言葉を惜しまなかった。特にこの映画を通じて30歳同士の友人になった二人の友情は確固たるものになった。

▲性格俳優&トップスター俳優

 「性格俳優になりたい」(ユ・ジテ)

 「責任感を持ってベストを尽くしたい」(クォン・サンウ)

 ユ・ジテとクォン・サンウ。優劣付けがたい最高の俳優だ。共に30歳という二人の演技観はどんなものだろうか。

 「映画に出演するのに随分と悩みました。スター俳優になるのか、でなければ性格俳優になるのか。でも私は性格俳優になりたかったのです」



 そのためだろうか。ユ・ジテの言葉通り彼は前作『オールド・ボーイ』で完全なイメージチェンジを試みて演技力を認められた。自分の念願通り徐々に性格俳優として観客に認められつつある。

 クォン・サンウはどうだろうか。どこへ行っても日本の取材陣やファンが付いて回る彼は俳優であると同時に韓流スターだ。

 「映画『マルチュク青春通り』に出演した時もそうでしたが、映画の中の俳優の変身には常に刺激を受けています。作品ごとに全力を投じてベストを尽くします」

 イケメン韓流スターであると同時に「俳優」としての地位を固めたクォン・サンウらしい言葉だ。


▲言葉で演じるアクションVS体で演じるアクション

 ユ・ジテとクォン・サンウが『野獣』で生まれ変わった。『野獣』はある事件をめぐって冷徹な判断力を持った検事ユ・ジテと気持ちが先にたつ熱血刑事クォン・サンウの物語。映画の中の二人は冷徹なカリスマとタフなカリスマを炸裂させる。

 「サンウさんが場面ごとに危険な状況でアクションを演じるとすれば、私は主に言葉でアクションを演じます」
ユ・ジテの言葉は二人が映画の中でそれぞれ違う魅力を放っていることを示している。



 二人の努力も賞賛に値する。ユ・ジテは30代中盤の検事役を演じるために映画の序盤には増量した。しかし、映画のキャラクターのことを考え再び9キロの減量に成功した。クォン・サンウも同じだ。クォン・サンウはこの映画の中で代役をほとんど使わずに危険なアクションシーンを自ら演じて周囲を驚かせた。

 キム・ソンス監督は「クォン・サンウさんが危険を冒して直接演じるといって聞かなくて心配をしたのは一度や二度ではない。制作の立場としては俳優がケガをして撮影が中断するのではないかと心配が多い」と語った。

▲ユ・ジテ、クォン・サンウ―30代が与える意味

 二人にとって30歳とはどんな意味を持つのだろうか?

 「30になって得たものと失ったものがあるようです。まず得たことは幸せです。この幸せは仕事で得ることなのですが、仕事をしながら感じる生活の満足を意味します。仕事をしながらその中で幸せを感じて…そんな意味でも『野獣』は30代になって初の作品なので、すごく大事に感じられます」。ユ・ジテの言葉だ。



 ならば失ったものは何か?「30代になって失ったものは初恋です。20代の時に感じた初恋の感情は二度と感じることは出来ないでしょう。30代になってからは、あの時の感情を絶対に感じることが出来ないのが現実です」

 「私は3年後の自分の姿がどうなっているか期待します。30になって感じたことは幸せです。年を取りながら多くの経験をするようになって年輪が刻まれると言います。経験と思考力が更に成熟して、より良い演技が出来るようになるようです。本当に幸せです」。クォン・サンウの言葉からは成熟が感じられた。

 ユ・ジテとクォン・サンウ、30代の入り口に立ったそれぞれ違った魅力を持った二人の俳優が、来年初めに『野獣』を通じてどんな姿を見せてくれるのか期待される。

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