韓国戦争をファンタジーに仕上げた映画『ウェルカム・トゥ・トンマクゴル』が、すべての年齢の観客から大好評を受け、疾走を続けている。

 『ウェルカム・トゥ・トンマクゴル』は今月4日に公開されて以来、今月25日現在まで全国で495万7490人が観覧、26日には500万人を突破する見込みだ。

 今年最大のヒット作だった『マラソン』が8週にわたり立てた記録を、公開24日目で塗り替えたことになる。300万人突破の速度(公開11日目)も、「『太極旗を翻して』(日本タイトル『ブラザーフッド』)に続き歴代2位(『実尾島』と同率)だ。

 『ウェルカム・トゥ・トンマクゴル』の500万達成は韓国戦争を仮想の「トンマクゴル」という空間を通じてファンタジーで描いた初の映画だという点、そして、トップスターではない実力派俳優を起用したという点、10代から60代まで観客の幅が広いという点からもさらに注目される。


 公開2週目から前売り券の販売率が上がり、現在まで圧倒的な1位を守っている点も独特な記録だ。

 500万観客達成を目前に控えた25日、パク・クァンヒョン監督と主演俳優のシン・ハギュン、チョン・ジェヨン、イム・ハリョンの「トンマクゴルファミリー」が集まり、祝杯をあげた。

 3人の俳優は2002年、チャン・ジン監督の演劇『ウェルカム・トゥ・トンマクゴル』と、パク・クァンヒョン監督の中編『私のナイキ』にも一緒に出演し、家族のような関係だ。

 「本当にあちこちから電話がかかってくるんです。テレビ出演の話も来ますしね。『演技がうまい』という話もよく聞きます。新人に戻ったようで、良い気分ですね」(イム・ハリョン)

 「私は食堂で子どもたちがたくさん寄ってくるようになりましたね。『うんこしたおじさんだ』って(笑)。実はこれまでの出演作で、子どもたちが見るような映画はなかったですからね」(シン・ハギュン)


 「母と同じ年代の方々がうわさを聞いて団体で映画館に行ったという話を聞いた時は、特に嬉しかったですね」(チョン・ジェヨン)

 崔岷植(チェ・ ミンシク)が登場する「教保(キョボ)生命」などのCMを作った パク・クァンヒョン(34)監督はこれが長編デビュー作。“興行監督”というタイトルが、まだまだ馴染まない様子だった。

 「新人監督だから不安なことが多かったんです。巨額の制作費が入ったし、俳優やスタッフの80%以上は無名で新人…。300万人突破するまで、夜も眠れませんでした」

 この映画が「親北朝鮮、反米」の思想を盛り込んでいるという批判について、聞いてみた。

 俳優らが先に「米軍のスミスが友たちとして登場するではないか」、「韓国戦争は北が挑発したという台詞も出てくる」と反論した。


 パク監督は「誤解のある方々に、私は米国に反感もなければ、思想や理念のための映画でもないと、一々説明して回りたい」と話した。「反対に民族和合のために作った映画でもないんですよ。ただ、善良な人々を癒す映画だと思って見てくださったらありがたいですね。私はまだ監督としては初心者で、限界がありますから」

 雰囲気が沈むと、チョン・ジェヨンが「こんな論議もすべて映画がヒットするから出てくるんだ。関心を持って批判してくれるのもありがたいこと」と話を締めくくった。

 4人は再び、“トンマクゴル”ムードを取り戻した。

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