トラベル
予算1万ウォンで楽しむテーマ旅行
少ない予算で楽しく充実した1日を過ごすことのできる、見どころやおいしいお店が、ソウル近郊には数多くある。テーマを決め、あるいは食べたいものを求め、予算1万ウォンを手に繰り出してみよう。
▲趣味人には清渓川がお勧め
ソウル清渓川(チョンゲチョン)は、今も変わらぬ懐かしい風物が息づいている楽しい市場だ。
東大門(トンデムン)と黄鶴(ファンハク)洞の間にある清渓7街のペット通りもその一つだ。200メートル余りの通り沿いに、ペットショップや水族館が立ち並んでいる。
片方のハサミが大きな赤いカニ、自分の体より首が2倍も長いカメ、小さくてかわいい観賞用ミドリフグ、ぶち模様の子豚、さっきカラパゴス島から捕まえてきたような大きいイグアナなどの珍しい生き物に目が引き寄せられる。
都心にありながら、ただで楽しめる、愉快で小さな動物園というわけだ。
ペット通りから工事のまっただ中にある清渓川をわたった向かい側には、もう一つの見どころである古本屋街もある。
トッケビ市場(のみの市)として有名な黄鶴洞も面白い。映画に興味があるなら、ぜひ黄鶴洞にも足を伸ばしてみよう。DVDの波に押されて問屋から在庫処分に出されたビデオテープが山積みになっているのに出くわすかもしれない。どうしても見たかった映画がたった数千ウォンで手に入ることもある。
最近のように暑い日には、リヤカーを引いたおばさんがカップに氷を入れてその場で作ってくれる1000ウォンの清渓川名物のミスカル(粉末状の穀物を溶かした韓国の健康食品)がうってつけだ。
▲グルメ派には安山・元谷洞
カレー、マトン料理、フォーのような南アジア料理を食べたいが、値段が高いのはちょっと・・・という場合は、元谷洞に行ってみよう。
豪勢なソウル都心や一流ホテルのレストランにはかなわないが、本場の味そのままの料理を出す食堂が軒を連ねている。
90年代以降、この地域に住み着いた大勢の移住労働者が需要を呼び、故国の料理を出すレストランが1軒、2軒と店を構え始めた。
大勢の華僑が住むため数の上では中国料理店が一番多いが、何と言っても魅力的なのは安山(アンサン)駅前や元谷(ウォンゴク)本洞の路地に数軒ずつ紛れているベトナム、インドネシア、パキスタンなど東南アジア料理店。これらの多くは、それぞれの国の食料品店を兼ねた素朴な雰囲気だ。
ベトナムの米麺フォーが4000ウォン、豚肉とキクラゲを細かく切って入れたベトナム式春巻き6000ウォン、羊肉のみじん切りにタマネギ、唐辛子などを混ぜたカパブ2000ウォン、チャイ(紅茶にミルクと砂糖を入れて煮立てた飲み物)一杯1000ウォン…。
移住労働者が主な客というだけあって低価格だ。注文に失敗しない限り、2人1万ウォンの予算で十分に飲み食いできる。
常連客の移住労働者たちのほとんどは、1日の仕事を終えた夕方頃から店を訪れるため、夜12時を回っても営業している店が少なくない。
パキスタン食堂兼喫茶店「パラダイス」社長のカン・ロベルさん(35)は、「最近は噂を聞いて、店に来る韓国人も結構いる」とし、「元谷洞は安く本場の味を楽しめるところ」と誇らしげに語った。