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【コラム】『可愛くても、狂っても』が終わってもシットコムは死なず
やはり「絶対」などというものはない。
SBSテレビのシチュエーション・コメディ『可愛くても、狂っても』が突然終了することになった。このシチュエーション・コメディのプロデューサーは誰か?『順風産婦人科』という大ヒットドラマを生み、『まっすぐ生きろ』で視聴率20%台を常に維持したシチュエーション・コメディの名プロデューサー、キム・ビョンウク氏ではないのか?
実際『可愛くても、狂っても』はシチュエーション・コメディ全体が不調にも関わらず高視聴率を維持していた。既に期待値を超えたこともテレビ局側は気に入らなかったのか、突然「アウト!」の判定を下したのだ。
『可愛くても、狂っても』の惜しまれる終了。ともすれば韓国のシチュエーション・コメディの一時代が幕を閉じる一つのきっかけとなるかも知れない。多くのアイドルやスターを輩出した『ノンストップ』、宋昌儀(ソン・チャンイ)プロディーサーの連続シチュエーション・コメディ、そしてキム・ビョンウクプロデューサーが手がける心理描写のシチュエーション・コメディ。一世を風靡したシチュエーション・コメディの三国時代ではなかったのか?しかし、三国時代は終わり、ルーマニアから渡って来た吸血鬼一家が徐々に血を吸い上げている。
ピンチはチャンスと言うではないか。まったく落胆する必要はない。メジャーのA級投手の特徴は、まさに危機管理能力ではないのか。こういう時に似たような後続打を考えれば、それさえも水平線にある第一世代のシチュエーション・コメディの太陽はそのまま水中に沈むだけだ。トレンドを読み沈んだ太陽を再び浮かび上がらせれば、その時こそが「シチュエーション・コメディの帝王」の逆襲が始まるのだ。
ともかくSBSが君を欺いても、決して腹を立てたり、悲しんだりしないことだ。選挙の開票速報のように1分単位の視聴率に泣いて笑うのがCMで生きる商業放送の宿命ではないか。むしろ、こうしたことを教訓に我々も常に緊張感を緩めることが出来ないだろう。全100話の大河ドラマにキャスティングされたからといって決して手放しに喜べることではない。100話のドラマがいつ10話に減らされるか誰にも分からないのだから。
キム・グラ/KBS第2FM『歌謡広場』司会者