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ドラマ『私の名前はキム・サムスン』でコメディの真髄極めたキム・ソナ
「ふくらはぎが痛くて毎晩寝ることが出来ません。胃が膨れたのか一日中もたれて消化がうまく出来ず、顔や手足がむくみます。これがみんな贅肉になるなんて…。体質もアレルギー性に変わって少しのほこりや花粉でも目が腫れます」
世の中にタダで得られるものはないと言うが、たった2回で20%の視聴率を超えたMBCドラマ『私の名前はキム・サムスン』の爆発的人気の背景にはヒロインを演じるキム・ソナ(30)の苦労がある。寸胴体型で常に呑気な29歳の独身女性でパティシエのキム・サムスンをリアルに演じるため、2か月で7キロも増量して最近その‘副作用に苦しんでいる。6日午後、ソウル市内の清潭洞(チョンダムドン)でインタビューしたキム・ソナは初対面にもかかわらず、すぐに打ち解け、あれこれと語り始めた。
「実際に会ってみると、そんなにも太っていないでしょ?カメラのアングルで太ったように見えているだけです。それでも視聴者の共感を得られたようで頑張った甲斐がありました」
ところが体重を聞くと顔色が変わった。「絶対に聞かないでください。いや、計らなかったので分かりません」
『私の名前はキム・サムスン』に対する反響はすぐにあった。ネット上の視聴者掲示板には絶賛の書き込みが7000件も寄せられるなど、既に大量のファンを増産している。微妙な感情の動きをキャッチして笑いに変える台詞、芯のある演出が人気の秘訣だ。
しかし、そのすべての要素がすべてを捨ててコミカル演技の真髄を見せているキム・ソナの存在があるからこそ可能なことなのだ。キム・サムスンはウナギにうどん、海苔巻き、焼酒を一度に飲み食いして酔っ払った後、他人のベッドに汚物を吐き、その男に背負われながら小便を漏らすインパクトある女性だ。
「サムスンはこの世のすべてのサムスンとサムシクのような人を代弁する人物です。他人はまったく気にしていないのに、一人で悪い方に考えちゃう人っているじゃないですか。不満を持っていながらも言い出すことが出来なくて…。サムスンはそんな人たちの本音をすべて吐き出してくれます。それに人情があって心の暖かいテンジャンチゲ(味噌鍋)のような女性でもあります。ハンバーガーやピザが幅を利かせるこの世の中でね」
実際の性格を聞くとキム・ソナは「明るく生きようと努力しているが、実は世の中すべての悩みを抱えて生きる小心者」と言いながら「サムスンを演じてあらゆるストレスが解消できる」と語った。
熱しやすく冷めやすい視聴者はデビュー当初のキム・ソナの姿を今になって思い出せば戸惑うだろう。「見知らぬ女からその男の香りが漂う」という化粧品広告のキャッチコピーはスリムな体型に蠱惑的なキム・ソナの姿を人々に印象付けた。その後、ドラマ出演を果たしたが、キム・ソナは大人しく無口だった。しかし、大げさな演技で話題になったピザCMに出演以降、キム・ソナは『夢精期』『偉大な遺産』『ハッピーエロクリスマス』などの映画に出演して4年間でコメディ映画を代表する女優に生まれ変わった。
「いくら私でも人々の前では綺麗に見せたいと思うものです。でも、自分は女優である時が一番好きだという信念があります。私が選んだ作品で適当なことだけはしたくないのです。そう考えれば化粧をしなくてもカメラの前に立ってもぜんぜん平気です」
想像がつかないかもしれないが、キム・ソナはフィギュアスケートの選手であると同時にピアニストでもあった。小学生の頃、国体で金メダルを受賞し、その後日本で過ごした後、米国の大学に進学した時にはピアノを専攻、ヨーロッパへの留学も考えていた。彼女の演技力は子どもの頃から鍛え上げられていたのだ。
インタビューの最後に同じ所属事務所の後輩、シン・ミナがこう話した。「サムスンって本当に面白いですよね」。その瞬間、キム・ソナはサムスンに変身する。「ハハハ、本当に綺麗ね。本当に綺麗でたまらないね。
一緒にインタビューでも受ける?」